ルノー、日産、三菱の3社は、2019年3月20日、3社がクルマを販売している世界200の地域におよぶ市場のほぼすべてで、コネクテッドサービスの提供を可能とする、新しいプラットフォーム「アライアンス・インテリジェント・クラウド」を立ち上げると発表した。アライアンスとマイクロソフトの共同開発の成果である業界初のコネクテッドカープログラムは、「マイクロソフト・アズール」によるクラウド、人工知能、IoTの技術を活用して展開される。
マイクロソフトと共同開発
アズールは、コネクテッドカーから得られる膨大なデータに基づいた高度なサービスの実現に必要となる、安全に車両データを保持、管理、分析するためのプラットフォームだ。
ルノー・日産自動車・三菱自動車でコネクテッドカーの開発を担当するアライアンス・グローバルのカル・モス副社長は、「我々はマイクロソフトとの協業を通じて、ルノー、日産、三菱のお客さまのデジタル体験を一変させる強力かつ大規模なコネクティビティプラットフォームの展開を進めています。今回、我々はアライアンスの規模を活用した自動車業界の先導役となるプラットフォームを構築しました」と述べている。
マイクロソフトの上級副社長兼グローバルセールス・マーケティング&オペレーション責任者のジャンフィリップ・クルトワは「ルノー・日産・三菱は長年のパートナーであり、マイクロソフトのコネクテッドビークル プラットフォームの最初の戦略的パートナーでもあります。本日のアライアンス・インテリジェント・クラウドの立ち上げにより、アズールによる新世代のコネクテッドサービスの提供が可能となります」と語っている。
搭載はクリオ、リーフから
アライアンス インテリジェント クラウドを活用した最初の車種はルノーの新型「クリオ」と、日本および欧州で販売される「日産リーフ」の一部のモデルとなります。これらはマイクロソフトのコネクテッドビークル プラットフォームが大規模に利用される最初の車両となります。
アライアンス・インテリジェント・クラウドを活用することで、世界中の様々な地域の消費者のために、車種・ブランド横断で車両とつながり、デジタル機能や将来の新しいサービスなどが共有できる。もちろん車両からインターネットへのアクセスがシームレスとなり、インフォテインメントサービスだけでなく、高度な遠隔診断や車両データのモニタリング、クラウドベースのコネクテッドナビ、コネクテッド・アシスタンス、通信によるファームウェアの更新も可能となる。
アライアンス・インテリジェント・クラウドは極めて拡張性の高いプラットフォームであり、以前から使われているコネクテッドカー用のソリューションと、現在および将来のコネクテッド機能、モビリティサービスを支える業務ソリューションを一つに統合することができる。またデータに基づいたプラットフォームを導入することにより、高度な人工知能や分析シナリオが利用できるようになるほか、新たなイノベーションやビジネス戦略を市場投入するため時間を短縮化することも可能となる。
3社アライアンスは、コネクテッドカーによって得られるビジネスチャンスに対応するために、アズールをベースにした独自のプラットフォームを設計、運用、所有する。
アライアンス・インテリジェント・クラウドは、アライアンス各社の車両と将来のスマートシティのインフラや潜在的なパートナーをつなぐ能力を持っており、さらにアライアンス各社の販売済みの車両や将来のコネクテッドカーにサービスを提供したいと望む第三者に対しても単一の接点でそれらが実現できる利便性を備えている。