マツダ「新型ロードスター」の未発表部分を探ってみた

マツダ 新型ロードスター

2014年9月4日、マツダ新型ロードスターは東京、アメリカ・カリフォルニア、スペイン・バルセロナで世界同時ワールドプレミアを行なった。しかし発表した内容はエクステリア、インテリアのみだ。一方、4月のニューヨークモーターショーではシャシーだけが出展されている。

▲アメリカでのワールドプレミア風景。日本でのそれとはかなり雰囲気が違う

つまりワールドプレミアと言いながら、ニューヨークショーから来年、2015年の半ばまでの1年間にわたるティザー作戦と言えなくもない。一方で共同開発のパートナーであるアルファロメオの方は音なしだ。正確に言えば「アルファロメオ・スパイダー」のスタディモデル画像はヨーロッパのカーWEBにリークされているが・・・

現時点で公表されているのは「開発目標値」のスペックだけだ。

■開発目標値
ボディサイズ 全長3915mm 全幅1730mm 全高1235mm ホイールベース2315mm
エンジン SKYCATIV-G 直噴ガソリンエンジン
トランスミッション 6速MT
駆動方式 FR
サスペンション フロント:ダブルウィッシュボーン リヤ:マルチリンク
ステアリング 電動パワーステアリング
ブレーキ フロント:ベンチレーテッドディスク リヤ:ソリッドディスク
タイヤ 195/50R16
定員 2名
価格 未定

さらに、プレスリリースではNC型ロードスターとの比較で100kgを超える軽量化と書かれていた。ということは新型ロードスターの車両重量は1000kg前後で、最軽量モデルは1000kgを切る可能性もある。新型のボディサイズを見てもわかるように、全長はこれまで3世代のロードスターより短く、その一方で全幅は1730mmとNC型の+10mmとなっている。

マツダ 新型ロードスター

開発コンセプトは、初代のライトウェイト・オープン・スポーツカーというコンセプトに立ち返りつつ、最新のスカイアクティブ技術を投入したということになるだろう。軽量化のために、フロントサスペンションやリヤアクスル、ボンネットなどはアルミ材を使用している。リヤデフも軽量コンパクトな新ユニットを採用しているという。もちろん、前後荷重配分は50:50にこだわっていることだろう。パッケージングでは、シート位置が従来のロードスターより後方に位置していることが特徴だ。言い換えれば、4輪がシート位置に対して前進したとも言える。

マツダ 新型ロードスター

エンジンはスカイアクティブG1.5、G2.0のいずれか、あるいは両方で、もちろん両エンジンとも直噴+連続可変バルブタイミングだ。横置きエンジンを縦置きエンジン専用にチューニングを加えているので、パワー、トルクともにデミオ、アクセラ用を上回っていると思われる。オイルパンも専用設計だ。シャシーの構成を見ると、直4型エンジンはフロント・アクスルより後方にある完全なフロントミッドシップで、トランスミッションもより後方にあり、エンジンとトランスミッションは長めのエクステンション・ハウジングで結合されている。

マツダ 新型ロードスター

このハウジングのエンジン側の締結部は大断面で、結合剛性を高め、静粛性を向上させているはずだ。またこのハウジングを交換することでアルファロメオ製のエンジンを搭載できるようになっているはず。トランスミッションとリヤデフは、従来モデルと同様にアルミ製のパワープラントフレーム(PPF)で結合されている。

マツダ 新型ロードスターマツダ 新型ロードスター

デザインは、言うまでもなくブランド・デザインである「魂動」がテーマになっているが、エクステリアを見た限りは、これまでのCX-5、アテンザ、アクセラ、デミオと続いたデザイン手法の流用ではなく、新たな表現を採用しているように感じられる。その理由は、これまでの魂動デザインは、アッパーグリルと、ロアグリルと言う構成表であるのに対し、新型ロードスターはフロントエンドを低く抑え、ロア・シングルグリルとしたことにありそうだ。

また大型のフロントバンパー、ヘッドライト、リヤバンパーを取り替えるとアルファロメオ・スパイダーに変身するようになっているはずである。

走りに関しては、かつてのロードスター路線から、現在のマツダの走りのコンセプトであるリニアリティやコントロール性を重視した意のままの走りに変貌しているのかどうかが興味深いところだ。

マツダ・ロードスター25周年特別サイト
マツダ公式サイト

ページのトップに戻る