MTの需要はなんだ?
一方、2.0Lのガソリンモデルでは、全体のイメージはディーゼルと共通で、静粛性や高級感といったものの満足度は高い。さらにディーゼルで感じたステアリングがカーブで次第に重くなってくることはなかった。自然な重さになるので、ドライバーは手応えとして感じ取れ、逆に安心感として伝わってくる。
また、アクセルペダルの踏み込み量で、パーシャルからの再加速における遊びは皆無だ。気持ち良くエンジンはレスポンスし思った通りに加速をした。また試乗車はなんと6速MTだ。最近トヨタのCH-RにもMTモデルが追加されているので、一定数需要があるということなのだろう。
はじめにMTで走り始めた時に、「MTの需要はなんだろう」とか「どういったユーザーに対しておすすめなんだろう」といったことを考えていたのだが、数分走っていると楽しくなっている自分に気づく。「なんだか楽しいぞ、このクルマ」となっているのだ。
装着しているタイヤは共に215/55-18インチでトーヨーのプロクセスを装着。マツダ車専用に開発したタイヤということで、サイドウォールが柔らかいタイヤで乗り心地を考えたタイヤになっている。そしてシートも既存の高級車のような硬質なものではなく、どちらかと言えばフランス車に近い、シート自体がサスペンションの働きをしているのを感じられるシートになっている。
また、今回のCX-30にはオフロードトラクションアシストという新機能が搭載されている。これは悪路でスタックしたときの脱出用モードということで、これまでのマツダ車にはない新しい装備だ。冒頭アーバンライフを意識しレジャー指向ではないと書いたが、雪道やオフロード走行をするユーザーへの安心材料としての装備と言えそうだ。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>