マツダ3搭載の「スカイアクティブ-X」エンジン発表

マツダは2019年11月25日、リーンバーン/SPCCI着火の新開発エンジン「スカイアクティブ-X」を搭載した「マツダ3」を12月5日から発売すると発表した。「SKYACTIV-X」搭載モデルは、当初はレギュラーガソリン仕様で10月発売の予定だったが、ハイオクタン仕様に変更し12月発売となった経緯がある。

SKYACTIV-Xエンジン
SKYACTIV-Xエンジン

スカイアクティブ-Xエンジンのスペックが判明

今回の発表により注目のスカイアクティブ-Xエンジンのスペックも正式に公表された。従来の2.0Lのスカイアクティブ-Gエンジンは「PE-VPS型」であるが、スカイアクティブ-Xエンジンは「HF-VPH型」となっている。エンジンの排気量1997cc、ボア・ストロークはともに共通で83.5mm×91.2mmとなっている。

マツダ3搭載の「スカイアクティブ-X」エンジン発表

燃料はスカイアクティブ-Gがレギュラー仕様だがスカイアクティブ-Xはハイオクタン仕様で、ヨーロッパ仕様と共通だ。圧縮比は15.0。出力は180ps/6000rpm、最大トルクは224Nm/3000rpm。従来のスカイアクティブ-Gに比べ、最大トルクの発生回転数が1000rpm低下している。

SKYACTIV-X エンジン諸元表

マツダ3搭載の「スカイアクティブ-X」エンジン発表

スカイアクティブ-Xの特長は、高圧縮で、軽負荷走行時には、空燃比30程度(ラムダ=2)の超リーンバーン、大量EGRでの燃焼域、高負荷では通常の燃焼+ミラーサイクル運転となる。つまり走行負荷に応じて空燃比、燃焼を切り替えているのが特長だ。

SKYACTIV-Xは宇品工場で生産
SKYACTIV-Xは宇品工場で生産

高速巡航で燃費を低減

この複雑な燃焼を実現するため、コモンレール式高圧ガソリン直噴/燃焼室中央噴射(スプレイガイド式)、通常燃焼から急速にリーンバーン状態に切り替えるための機械式イートン製スーパーチャージャー+水冷インタークーラー(高応答エアサプライと呼称)、水冷式EGRガスクーラー、気筒別筒内圧力センサー、さらにミラーサイクル運転のために吸気側に電動可変バルブタイミング機構などを装備している。

エンジン上部の曲がりくねった配管が高圧ガソリン直噴の配管。燃焼室中央に向かって燃料噴射するスプレーガイド式を採用
エンジン上部の曲がりくねった配管が高圧ガソリン直噴の配管。燃焼室中央に向かって燃料噴射するスプレーガイド式を採用

また同時に24V電源によるスターター/ジェネレーター式マイルドハイブリッドも併用している(M-ハイブリッドと呼称)。このモーター/ジェネレーターは6.5ps/61Nmの出力で駆動アシストを行ない、またブレーキ時には減速エネルギー回生を行なう。その回生電力は小型のリチウムイオン・バッテリーに蓄電され、加速時にはバッテリーから電力を放出して駆動アシストを行なうシステムだ。

24Vマイルドハイブリッド用のスターター/ジェネレーター
24Vマイルドハイブリッド用のスターター/ジェネレーター

注目の燃費は、WLTC平均モードで6速ATで17.2km/L、6速MTで17.4km/Lとなっている。6速AT仕様の場合、市街地モードでは13.7km/L、郊外モードでは17.6km/L、高速モードでは19.0km/Lと、100km/h程度での高速巡航でリーンバーンが多用され、つまり燃費が最もよくなるのが特徴になっている。

手前側にスーパーチャージャーと水冷インタークーラーが見える
手前側にスーパーチャージャーと水冷インタークーラーが見える

スカイアクティブ-Xエンジンは、機械式駆動のスーパーチャージャー、高圧直噴などによりエンジン・ノイズが大きくなる傾向があるが、その対策としてエンジン全体を樹脂製吸音材でカバーするカプセル化を行なうことで、エンジンの透過音を大幅に低減しているのも他にはない特長になっている。

なお価格は、下表のようにSKYACTIV-G 2.0エンジン搭載モデルに比べ、約55万円高となっている。

マツダ3 SKYACTIV-Xモデル 諸元表

【価格】

マツダ3 ファストバック 価格表

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