マツダ 波方ターミナルを拠点とした燃料アンモニア導入・利活用協議会に参画

マツダは2023年4月14日、四国電力、太陽石油、大陽日酸、三菱商事、波方ターミナル、三菱商事クリーンエナジーとともに、愛媛県・今治市所在の波方ターミナルのクリーンエネルギー供給拠点化に向けた検討を行なうために、三菱商事と四国電力を共同事務局とする「波方ターミナルを拠点とした燃料アンモニア導入・利活用協議会」の設置に合意したと発表した。なお、愛媛県、今治市、西条市、新居浜市、四国中央市もオブザーバーとして協議会に参画することになっている。

愛媛県・今治市の波方ターミナル

この協議会では、波方ターミナルの既存LPGタンクをアンモニアタンクに転換し、2030年までに年間約100万トンのアンモニアを取り扱うハブターミナルにすることを想定。スケジュールや法規制上の課題の整理、効率的な波方ターミナルの活用、需要拡大策等について検討を行なっていくことになる。

日本政府による2050年カーボンニュートラル宣言以降、火力発電所におけるアンモニア混焼利用や、一般産業での熱電利用、水素ステーションでのアンモニアクラッキング技術(アンモニアから水素を抽出すること)など、アンモニアに対する期待は高まっており、四国・中国地域でこのようなアンモニアの利活用を進める上では、効率的なサプライチェーンの構築実現のため、ハブとなる供給拠点として波方ターミナルは重要な役割を担うことができると想定されている。

アンモニア(NH3)は水素と窒素から成り、水素単体やメタン(CH4)よりはるかに液化しやすい性質を持つため、水素を直接利用するより輸送、供給が容易である。そのためグリーン水素と窒素から合成するアンモニアは、カーボンニュートラルを目指す火力発電用の燃料、船舶用の燃料として最も有望とされており、自動車のエンジン用としてもe-フュエル(グリーン水素とCO2から合成する液化メタン)より実現しやすいとされている。

ただし、アンモニアは有毒で、発火点が高く、自動車用エンジンで使用する場合は始動性に課題がある。

波方ターミナルは、国内外から持ち込まれる年間約100万トンのLPG・石油類製品を扱っており、40年間にわたりエネルギー拠点として活動してきた実績、経験に加え、アンモニアタンクに転用可能な複数の大規模低温LPGタンク(4万5000トン/基)や、大型船を着桟できるバースなど、地域のアンモニア需要に早期に対応できるための設備を備えている。

協議会は、官民一体となって波方ターミナルのクリーンエネルギー供給拠点化の実現を目指し、地域のクリーンエネルギー新産業の創出、ひいては地域経済の持続的な発展に貢献するとしている。

波方ターミナル 公式サイト

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