2014年12月10日、マツダは、三菱化学株式会社と共同で、自動車の外装部品として使用可能なバイオエンジニアリングプラスチック(バイオエンプラ)を開発したと発表した。
バイオエンプラは植物由来原料使用により石油資源の使用量削減やCO2排出量の抑制、無塗装による揮発性有機化合物(VOC)の削減により、環境負荷を低減しながら、従来材料の塗装が施された部品を超える質感(深みのある色合い、鏡面のような平滑感)を材料着色で実現した。これにより高いデザイン性を持つ自動車外装部品としても使用できるようになったという。
マツダは、以前よりバイオマス領域での技術開発に取り組んでおり、これまでに植物由来の材料「マツダバイオテックマテリアル」として、業界初の高耐熱・高強度な自動車内装部品用バイオプラスチックの開発や、世界初の植物由来100%の繊維からなる自動車用シート表皮の開発に成功している。
しかし自動車の外装部品に使用する材料は、デザイン部品としての高い質感、耐候性をはじめ、耐傷付き性、耐衝撃性など厳しい環境に耐え得る材料であることが求められるため、バイオプラスチックでの実現には技術的な課題があったのだ。
このほど開発した材料は成形性に優れ、耐久性の高いバイオプラスチック母材の開発をベースに、各種の添加剤、着色剤の混合による材料組成の最適化(特許出願中)、成形時における金型仕様の最適化などに取り組むことで、自動車の内装意匠部品はもとより、外装部品にも使用できる材料の開発に成功した。
これにより、塗装したABS樹脂などの従来材料と同様の耐久性を兼ね備えながら、従来塗装品を超える質感を実現しているという。なおこの材料は、2015年からグローバルに発売予定の新型「ロードスター」の内装意匠部品にマツダ車として初めて採用されることになっている。その後、順次量産車の外装部品にも採用される予定だという。
またこのバイオエンプラを採用した「マツダバイオテックマテリアル」試作部品は、2014年12月11日~13日に東京ビッグサイトで開催される「エコプロダクツ2014」に出展される。