【シムドライブ】新型先行開発EV「SIM-WIL」発表。インホイールモーターで航続距離351kmを達成

シムドライブ社の先行開発2号車、「SIM-WIL」

電気自動車の研究及び開発を行うシムドライブ社は2011年春に航続距離333kmの「SIM-LEI」を発表したが、それからちょうど1年後となる2012年3月28日、車体構造、パッケージングなどを進化させた先行開発2号車「SIM-WIL」を発表した。 シムドライブは、会長が電気自動車普及協議会・会長の福武總一郎氏(ベネッセホールディングス取締役会長)、社長が清水浩氏(慶應義塾大学教授・高性能EVのエリーカを試作した)という陣容でEVの先行技術開発とEVの普及を目的とする会社だ。

今回発表された「SIM-WIL」は、1号車の「SIM-LEI」で達成した航続距離300?以上をさらに上回り、将来量産した時の信頼性と電気自動車の魅力をより強調するため、車種展開ができることを目標に開発されたという。また同時にEVの普及に欠かせない加速感、乗り心地、居住性に関しても新しい可能性を示している。

SIM-WILの基本骨格は、コンポーネントビルトイン式フレーム、つまり電池パックとパワーコントロールユニットのフロア配置と、4輪ダイレクトドライブ方式インホイールモーターによる4WDで、これは従来型と同じだ。ただし、インホイールモーターは、従来型ではスタート時の回転振動(トルクリップル)が生じていたが、今回はモーター内部の構造を変更し振動を大幅に低減させている。トルクは700Nmだという。また航続距離は従来型よりさらに伸ばされ、JC08モードで351kmを達成。動力性能は、0-100km/h加速は5.4秒、最高速は180km/hだ。

クラスターに大型ディスプレイを備え、インフォテイメント、テレマティックスを採用
フラットなフロアでじゅうぶんな室内前後長を持つ。フロントシートはウォークスルーできる

ボディ構造は、ベースのコンポーネントビルトイン式フレームを改良して多様なアッパーボディと結合できるようにしている。またアッパーボディは、今回からスチールをハイドロフォーム成形して骨格とする「スチールスペースフレーム(SSF)」構造を採用。さらにドアはカーボン製に。この結果、モノコック構造の従来型より軽量化、高剛性化されている。サスペンションはジオメトリー変更し、ステアリング切れ角も増大させ、2950mmというロングホイールベースにもかかわらず最小回転半径は5.4mだ。

パッケージングは、キャビンフォワード、ロングルーフのモノフォルム・デザインで、BセグメントのボディサイズながらEセグメントに匹敵スペースとしている。またインスツルメントパネルには、インフォテイメント、テレマティックスに対応するディスプレイを装備する。

シムドライブ公式サイト

COTY
ページのトップに戻る