ルノーならではの魅力が詰まった1台「メガーヌ スポーツツアラー 」試乗記 

ルノー・メガーヌのステーションワゴン「メガーヌ スポーツツアラー インテンス」に試乗してきた。2021年8月にマイナーチェンジを行ない、デザインの変更、パワートレインの変更をしている。

ルノーブランドは国内ではフランス車好きやマニア、オタク系に人気があるとされているが、メガーヌは本来量販モデルで長く実用的に愛されていくモデルとして、本質を追求する姿勢で開発されている。ボディサイズは全長4635mm、全幅1815mm、全高1395mmでCセグメントサイズ。

だからメガーヌR.S.で代表されるような追従を許さないスポーツ性能や、個性的な機能、デザインというわけではなく、スポーツツアラー(ステーションワゴン)としての基本性能を磨き上げたモデルと言える。

とはいえ、走りにこだわるメーカーの姿勢は、こうした量販モデルにも注入されており、このスポーツツアラーのプラットフォームはメガーヌR.S.と共有している。ルノー・日産・三菱アライアンスで共有するモジュラープラットフォームCMF-C/Dを採用し、フロントサブフレームとボディとの結合にブッシュを介さないなど、ハンドリングのダイレクト感を大切にする思想も取り込んでいるのだ。

Cセグメントのステーションワゴン、メガーヌスポーツツアラー

試乗は一般道のワインディング、高速道路でそのナチュラルなステアフィールが気持ち良い。狙い通りのライントレースをし、ダイアゴナルロールは抑えられ高い旋回性を見せる。フランス車特有のゆったりとした乗り味とは異なるが、ボディの剛性感をしっかり感じさせる硬質系な印象。とはいえ、しなやかにストロークするサスペンションのおかげでドイツ車のような硬質な乗り味とは違った優しい乗り心地を味わわせてくれる。

エンジンは直列4気筒1.3Lの直噴ターボH5H型で、ルノー・日産・三菱のアライアンスに加えてダイムラーも加わった共同開発エンジンだ。159ps/270Nmは驚くようなスペックではないが、ルノーはパフォーマンスと効率性を追求したユニットとしている。凝った技術ではシリンダーボア内部を鏡面仕上げにするボア・スプレー・コーティングをし、フリクションを低減し燃費向上につなげる技術が投入されている。

このエンジンに7速EDC(湿式多板DCT)を組み合わせ、ダイレクト感と操作性の良さを感じる。DCTでありながら微低速でのギクシャクは全くなく滑らかに動き、シフトアップ、ダウンではダイレクト感のあるシフトフィールがある。さらにマニュアルモードも備えているので、ワインディングではそうした楽しみ方も可能なのだ。また1800rpmで最大トルク270Nmを発揮するギアレシオになっているので、低速でのなめらかな動き、中速からの加速などでもエンジンとEDCの組み合わせの良さを感じる。

そうしたドライビングの爽快感と楽しさを持ったスポーツツアラーは、クルマ好きには好印象になるし、さして興味のない人でも運転のしやすさなどで好感度があがるのは間違いない。そうしたクルマづくりがルノーブランドのこだわりでもあるわけで、突出した性能ではないモデルの傑出した快適さは大きな魅力と言える。

さて、実用面と先進性ではいかがだろうか。

インテリアでは中央に7インチのマルチメディア・タッチスクリーンがあり、スマホとのミラーリングが可能だ。またホームボタンの長押しでローカルに搭載するナビ画面が出てくる。ナビをあまり多用しないフランスらしい表示方法で、常時ナビ画面を出す日本とは考え方の違いが面白い。

クルマに近づくと自動でロック解除と施錠でき、薄さにセンスを感じる

量産Cセグメントにも室内アンビエントライト装備の波が押し寄せている。少し前まではプレミアムモデルの専用装備とも言えたものが、どんどんと採用の裾野が広がっている。スポーツツアラーではドライビングモードに連動し、エコでグリーン、コンフォートでブルー、スポーツでレッドに色が変わる。このデフォルトカラーはタッチスクリーンで変更も可能だ。

ラゲッジは後席を利用している状況で580Lの容量を確保し、リヤシートは6:4の分割式で便利。さらに荷室には後席をワンタッチで倒せるレバーも装備しているので、使い勝手が良い。またフロアは2枚のボードで容積を変更でき、ボードの使い方次第で上下・前後に分割することもできるので、車載するものに合わせた使い方ができるようになっている。

先進運転支援機能や安全機能では、最新の機能を搭載しACCでは3秒以内は再スタート可能なストップ&ゴーを備えている。またリヤクロストラフィックアラートや、ドライバー疲労検知機能、速度標識などの交通標識認識機能のトラフィックサインレコグニッションなどの安全装備も充実している。

ACCはステアリングのボタンを2アクションで起動できるが、実用性が考慮されていると実感したのが先行車との車間距離設定のイージーさだ。確か4段階の車間設定ができたと思うが、1-2-3-4-3-2-1という設定がいい。多くの車種で1-2-3-4-1-2-3-4の繰り返し設定が多く、イラッとするが細かいことだがスッキリする。

オーディオはこれで操作できる

エクステリアではフロントフェイスがニューデザインになり、ルノーであることがひと目で分かり、かつブランドアイデンティティでもあるC型シェイプのヘッドライトデザインが印象に残る。ヘッドライトはフルLEDでオートロー/ハイビームを備え、フロントバンパー、グリルデザインの変更、クロームパーツの配置などでセンスよくまとめられている。

ボディはスポーツカーのようにワイド&ローなシルエットを持ち、なだらかなルーフラインでステーションワゴンの美しさをデザインしている。フェンダーは前後共に筋肉質なショルダーが印象的でシルエットがかっこいい。

ゴルフヴァリアントやプジョー308SWなどがライバルになるが、国産からの乗り換えも多くいるのではないかと想像する。それはドライビングの楽しさを持ちつつ、実用性の高さ、おしゃれ感、洗練さといった部分で、国産にはない魅力を持っているからだ。フランス車オタクでない人にもおすすめの一台だ。<レポート:高橋アキラ/Takahashi Akira>

価格

メガーヌ・スポーツツアラー・インテンス 334万円(税込)


The Mortor Weekly

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