2017年9月28日、ホンダは「ステップワゴン」、「ステップワゴン・スパーダ」のビッグマイナーチェンジを行ない、9月29日から発売を開始する。このマイナーチェンジで2機種ともにデザインを変更するとともに、スパーダにはスポーツ・ハイブリッド「i-MMD」を新設定している。
日産・セレナ、トヨタ・ヴォクシー/ノア、エスクァイアという競合モデルに対抗して、一段と商品力を高め、スパーダには3.5Lエンジン並みの動力性能を発揮するデュアルモーターハイブリッド「i-MMD」を搭載した。
これまでステップワゴン/スパーダは1.5L直噴ターボエンジンを搭載し、ホンダらしい走りを提供してきたが、スパーダはより個性的で存在感のあるデザインとし、デュアルモーター・ハイブリッド・モデルは、ひとクラス上の上質でダイナミックな走りの性能とクラストップの燃費(JC08モード:25km/L、WLTCモード:20km/L)を両立させている。
■i-MMDハイブリッドシステム
i-MMDはその名称通り、アコード・ハイブリッドに搭載されているデュアル・モーター+エンジン直結クラッチを装備したハイブリッド・ユニットだ。
搭載されるエンジンは、LFA型2.0Lアトキンソンサイクルで、圧縮比13.0。最高出力145ps、最大トルク176Nmを発生する。このエンジンは、通常走行時は発電機を回して駆動モーター用に発電し、高速巡航時だけはクラッチを接続して直接タイヤを駆動する役割を持つ。
駆動用モーターは出力184ps、最大トルク315Nmと強力で、加速など動力性能は3.5Lエンジンに匹敵する。その一方でJC08モード燃費は25.0km/L、WLTCモード燃費で20.0km/Lとクラストップの低燃費となっている。
■スパーダ・ハイブリッドのパッケージ、ボディ、シャシー
アコード・ハイブリッド用のi-MMDハイブリッドユニットをスパーダに搭載するためにはミニバンボディのスペースを生かすためのレイアウトが必要となる。
重量のあるバッテリーパッケージはフロントシートの下側に搭載し、室内スペースのロスをなくしている。さらにエンジンとモーターユニット、12Vバッテリーなどを収納するために、フロントバンパー位置が前方に25mm、ボンネット上面位置も25mm前方に伸ばされている。この結果、ミニバンとしての室内パッケージはバッテリー搭載による影響を受けず、ほぼ従来通りに仕上がり、クラストップの室内スペースとなっている。
なおフロントシート下側のバッテリーパックはクロスメンバーによるサンドイッチ構造によって保持されるので、低重心化に加え、ボディのフロア周辺の剛性向上にも効果を発揮し、ねじり剛性は標準モデルより8.5%向上しているという。
またこれだけではなく、ハイブリッド・モデルは高張力鋼板の採用が標準モデルより拡大され、採用比率は59%に達している。
シャシー系もハイブリッド・モデルは専用装備で、電動サーボブレーキ、リヤの電動パーキングブレーキ、フロントのユニット式ハブベアリングなども採用。もちろんサスペンションやエンジン/マウントも専用の設定だ。
さらに最上級グレードのG、EXには、前後にフレーム同士を結合するパフォーマンス・ダンパーを追加し、走りの質感を大幅に高めている。このパフォーマンス・ダンパーは荒れた舗装路でのビリビリする微振動を吸収し、よりフラットでなめらかな走りを生み出す効果があるのだ。
このハイブリッド・モデルは、静粛性を大幅に高めるためにアンダーフロアやフェンダー内側、インスツルメントパネル内側、フロントバルクヘッドなどに吸・遮音材を追加し、さらにフロントガラスは遮音ガラスにしている。さらに、フロント・サイドウインドウは板厚アップを図るなど徹底追求され、クラストップはもちろん、ひとクラス上の静粛な室内を実現している。
■ホンダ・センシング
今回のマイナーチェンジにより、ドライバー支援システムのホンダ・センシングも進化した。従来の衝突軽減ブレーキ、車線逸脱抑制、車線維持支援、誤発進抑制、先行車発進告知、道路標識認識の各機能に加えて、新たに歩行者事故低減ステアリング機能を追加。
またハイブリッド・モデルはさらに渋滞時追従機能付きのアダプティブ・クルーズコントロールを装備している。
■福祉車両
ステップワゴン、スパーダ・シリーズにはサイド・リフトアップ・シート付き、車イス仕様などの福祉車両も幅広く設定されている。