【衝撃】Honda eMaaS 新生産財による新価値創造 ホンダミーティング2019 1/4回

ホンダミーティング2019

自動車変革の今、ホンダはどこに向かって突き進むのか?2019年7月、本田技研工業社長の八郷隆弘氏、そして本田技術研究所社長の三部敏宏氏の両社長から、ホンダの新しいビジネスモデルに関する説明会「Honda Meeting(ホンダミーティング)」が開催された。そこで語られた内容は、新たなビジネスを創造しユーザーへ提供するロードマップだった。

左)本田工業の八郷隆弘社長、右)本田技術研究所の三部敏宏社長
左)本田工業の八郷隆弘社長、右)本田技術研究所の三部敏宏社長

Honda eMaaSを推し進めていく

将来のビジネスモデルのひとつとして「Honda eMaaS(ホンダ イーマース)」という新ビジネスの説明があった。MaaSという言葉は近年よく耳にすると思うが、Mobility as a Serviceの略で、今ならカーシェアや配車サービス、サブスクリプションなどで、この先の広がりが課題になっている世界観&ビジネスチャンスだ。

ホンダミーティング2019

ホンダが提案したHonda eMaaSは、このMobility as a ServiceとEnergy as a Serviceを掛け合わせたものが「Honda eMaaS」という新しい事業であると説明している。将来のモビリティカーンパニーは、自由で楽しい移動を提供し、豊かになる生活、そして低炭素社会といったコンセプトに基づいて考え出されたもので、二輪四輪に限らず、ジェット機や汎用製品、そして水素から電気を生み出し製品化する技術など、さまざまな分野で技術力を発揮しているホンダらしい新しいビジネスの創出なのだ。

emaasコンセプト

なぜ、新しいビジネスモデルが必要なのか

ホンダがなぜ、こうした説明会を開いたのかということだが、ご存知のように、100年に一度の自動車大変革の時代の今、これからの自動車メーカーはどうあるべきか、どう変わる必要があるのかなど課題がある。それは、消費財であるクルマを造って販売するという経済構造は縮小してくことが明白だからだ。

消費財と生産財そしてHonda eMaaS

CASEの時代という言葉も最近よく聞くと思う。これまでのクルマは所有し運転することで、劣化、消費していった。車両価値は新車の状態から徐々に価値を下げていく消費財であったわけだ。自動車メーカーはこの消費財を生産し販売することで成り立ってきたが、これからは新しいビジネスモデルとして、モビリティサービスによる生産財の創造が必要になってくる。つまり、ユーザーへ価値を提供することで利益が出るという経済構造に変わる必要が出てくるというわけだ。

ホンダのフラッグシプであるNSXやF-1などのモータースポーツは、この新価値創造領域とは別の領域で進むビジネスであり、今回の説明会ではホンダの次世代ビジネスに関する説明会ということだ。個人的には、他社にはないモデルや技術がホンダブランドを牽引していくと考えているので、今後も魅力的なモデルは生まれてくることと思う。

さて、生産財としての価値を作り上げていくには、新しい技術投入は必要となるだろうし、目の前の要件も満たしていかなければならない。そのために、今回のホンダミーティングでは、大きく分けて2つのテーマで説明された。

新しい技術と既存の要件を満たす2つのテーマ

新しい技術投入の領域は、ホンダ独自の価値を生み出すエネルギー、ロボティクスの方向性について。そしてもうひとつは既存の要件を満たすこと。それはカーボンフリー社会、交通事故ゼロ社会への取り組み、可能性が広がる社会への取り組みといった2つのテーマになる。

ホンダミーティング2019 CASE

ホンダではCASEへの理解を「C」はコネクテッド、「A」は自動運転を含めた運転支援等、「S」はサービスとシェアリングそして「E」には電動化だけでなくエネルギーマネージメントも含むべきだという解釈をして、ホンダの取り組みが始まっている。

ホンダは、モビリティとエネルギーを循環させる環境を作り、さらにコネクテッド技術も提供することで、移動と暮らしがシームレスにつながった社会の実現を目指していく。そして自由な移動の喜びと生活が変わる、豊かになる喜びを提供し、さらにはカーボンフリー社会をリードしてくのだと。これをHonda eMaaSと呼んでいるわけだ。

ホンダミーティング2019 eMaaS

次回はその具体的な施策や考え方などについてお伝えしよう。<レポート:高橋明/Akia Takahashi>

ホンダミーティング2019 その2

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