日野自動車「ドライバー異常時対応システム」と燃料電池バス「SORA」が2018年度グッドデザイン賞受賞

日野自動車は、「ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)」と燃料電池バス「SORA」(※)で、2018年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞した。さらに「SORA」は、審査委員会から特に高い評価を得た製品に贈られる「グッドデザイン・ベスト100」に選出された。
※:トヨタ自動車株式会社と共同申請・共同受賞

ドライバー異常時対応システム(EDSS)客席スイッチ
ドライバー異常時対応システム(EDSS)客席スイッチ
「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」は、ドライバーが急病等で運転操作の継続が困難となった場合に、ドライバー自身や添乗員、もしくは乗客がスイッチを押すことで徐々に速度を落として停止するというシステム。
日野は、「『交通事故死傷者ゼロ』に積極的に貢献していく」という方針に基づき安全技術開発に取り組んでおり、近年複数発生しているドライバーの健康状態が急変したことによる事故の対策として「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」の開発を進めてきていた。2018年7月、大型観光バス「日野セレガ」に標準装備し、商用車として世界で初めて商品化されている。
今回の受賞においては、万一の際の「分かりやすさ」「使いやすさ」、そして商用車世界初の実用化・標準装備化という日野の安全への姿勢が高く評価された。
 
燃料電池バス「SORA」
燃料電池バス「SORA」
「SORA」は、高い環境性能と燃料電池車ならではのうれしさを備え、人を中心に考えたユニバーサルデザインと機能を採用したトヨタ自動車の燃料電池バスだ。日野はトヨタ自動車から開発を受託し、主にバスボデーの設計や内外装デザインを担当している。次世代のバスにふさわしい内外装と、すべての人がより自由に移動できるためのユニバーサルデザインが高く評価され、「グッドデザイン・ベスト100」に選出された。

日野自動車は、2017年の大型トラック「日野プロフィア」と中型トラック「日野レンジャー」に続き、2年連続、22回目と23回目のグッドデザイン賞受賞となった。
 

評価コメント

ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)
乗務員と乗客、双方にとって操作が容易な場所に識別しやすい非常ブレーキスイッチを配置したうえで、ホーンを鳴らしストップランプとハザードランプを点滅させつつ減速するという作動状況は、多くの人に異常を知らせる効果的なメッセージであると感じた。商用車では世界初となる標準装備化にまで踏み切った英断を含め、高く評価されるべきセーフティデザインであろう。
 
燃料電池バス「SORA」
公共バスの次世代標準となりうるデザイン提案である。外観ではシェルフレーム構成と精悍なカラーリングによって新規性と軽快感が表現されている。結果として都市景観との調和も感じられる。室内はポップな色調のCMF、シート形状とレイアウトの見直し、握り棒形状の工夫など、細部までデザインされ広く明るい空間に仕上がっている。歩く、座る、立つ、といった乗客の基本的な行動を快適に無理無駄なく、そして安全に導くようデザインされた点を高く評価した。
 

【グッドデザイン賞とは】

公益財団法人日本デザイン振興会が主催する総合的なデザインの推奨制度。社会全体を豊かにする「よいデザイン」を顕彰している。グッドデザイン・ベスト100は、2018年度グッドデザイン賞受賞対象の中で、審査委員会により特に高い評価を得た100件に贈られる。

 
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燃料電池バス [SORA] | 受賞対象一覧(グッドデザイン賞)
グッドデザイン賞

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