2015年9月1日、FCAジャパンは、ジープ・ブランドとして初のコンパクトSUVとなる新型「ジープ・レネゲード」を9月5日から発売すると発表した。
新型レネゲードの登場はすでに予告されており、フィアット500Xと同時開発されたコンパクトSUVだ。フィアット500Xとは別の独立した車種としてジープ・ブランドのレネゲードが新たに誕生した。
レネゲードのテーマは「アーバンサイズ、アドベンチャークラス」で、ジープ伝統のパワフルな佇まいと4×4性能を受け継ぎながら、都市に適したボディサイズ、洗練とジープのDNAを兼ね備えたスタイリング、多目的性、機動性、高級感を融合したジープの新ジャンルのモデルだ。
最大の特徴は、野性的でアグレッシブ、しかもポップさを加えた斬新なエクステリアのプロポーションを採用し、精密に仕上げられたディテール、革新的で上質なカラーと素材でまとめ上げたインテリアにある。
エクステリアはジープ伝統の丸いヘッドライトと7スロットグリル、さらにショートオーバーハング、台形のホイールアーチなどジープの遺伝子を守りながらも、新世代のジープの時代を告げる斬新なスタイリングとしている。
インテリアは「デザイナー自身が欲しくなるようなスモールSUV」を目標に取り組み、「テクトニック(Tek-Tonic)」と名付けられたデザイン手法としている。テクトニックとはジープの世界観に快適さや機能性の融合を組み合わせたインテリア・コンセプトを意味する言葉だ。
ジェリ缶からイメージされたXマーク、7スロットグリルなどジープのアイコンを、インテリアのデザインにも多数採用している。さらにエクストリームスポーツからインスピレーションを得たディテール、たとえば、エアコンの吹出し口やシフトベゼルはスキーのゴーグルやブーツ、艶やかな色彩のカラビナからヒントを得てデザインされている。
新型レネゲードは、ジープ初のスモールSUVを前提に開発された「スモールワイド4×4アーキテクチャー」をトレイルホークに採用。これにより、ジープならではのオフロードでの走破性のみならず、オンロードでの快適な乗り心地も追求している。オープニング・エディション、リミテッドの2グレードはFF駆動だ。
グレード展開は、オープニング・エディション、リミテッド、トレイルホークの3機種。オープニング・エディション、リミテッドにはダウンサイジング・ターボエンジン、 1.4Lマルチエア インタークーラー付ターボエンジンを搭載。このエンジンに6速乾式デュアルクラッチ・トランスミッション(6DDCT)を組み合わせ、スポーティな走りと低燃費を実現している。 スタート&ストップシステムも装備することで、オープニング・エディションはジープブランドとしては最高の燃費15.5㎞/Lを達成している。
トレイルホークには2.4Lタイガーシャーク・マルチエアⅡエンジンを搭載。このタイガーシャーク・エンジンも走行状況とドライバーの要求に合わせ、シリンダーごと、ストロークごとに吸気バルブの開閉タイミング、リフト量、リフト時間を可変制御する電気油圧アクチュエータ(マルチエア)を採用している。
トランスミッションはセグメント唯一の9速ATを採用。これにより燃費が向上したけでなく、トルク変動が少なくスムーズな変速やパワフルな加速を実現している。
なおトレイルホークのみが4×4システムを採用しており、高水準のオフロード性能を備え、これこそがジープならではの本物の価値であることをアピールしている。たとえば、アプローチアングルは30.5度、ランプブレークアングルは25.7度、デパーチャーアングルは34.3度、と他の乗用車派生のクロスオーバーやSUVモデルでは得難いスペックとなっている。
さらにトレイルホークには、39km/h以下で機能する「ジープ・アクティブドライブロー」が搭載されている。副変速機付きトランスミッションに匹敵する強大な駆動力を発揮する、Lowスイッチにより1速による走行が可能となる。またチェロキーと同様の可変配分トランスファーを備え、必要に応じて自動でFF駆動から4×4に切り替わり、4輪によるトラクションが必要と判断すると瞬時にプロペラシャフトを通じリヤホイールに駆動力を伝達することができる。
また、トレイルホークには「ジープ・セレクテレインシステム」が搭載され、走行モードは、Auto、Snow、Sand、Mud、Lockという5モードから選択できる。急坂を下る際に車速を自動制御するヒルディセントコントロール、オフロード走行時に燃料タンク、フロントサスペンション、トランスファーケースをガードするスキッドプレート、トレイルホーク専用の17インチ・マッド&スノータイヤを装着している。
新型レネゲードのボディは、ジープのボディとしては過去最高となる高張力鋼板を約70%も採用しており、軽量化のみならず、衝突安全性能の向上をはかり、さらにねじり剛性を大幅に向上させ操縦安定性を高めている。
また新型レネゲードには多くのドライバー支援システムを装備している。
・レーンセンス(車線逸脱警報プラス ):リミテッド、トレイルホーク に標準設定
・前面衝突警報 (クラッシュミティゲーション付):リミテッドに標準設定
・ブラインドスポットモニター・リヤクロスパスディテクション:リミテッド、トレイルホークに標準設定
・パークビュー(リヤバックアップカメラ):リミテッド、トレイルホーク に標準設定
・パークセンス(リヤパークアシスト ):全グレードに標準設定