アウディ 新型A8が採用するアクティブ・サスペンションに注目

2017年6月23日、アウディは来る7月11日にスペイン・バルセロナで開催される「アウディ・サミット」でワールド・プレミアされる新型A8で新採用している、フル・アクティブ・サスペンション、48Vマイルドハイブリッドシステムなどの概要を公表した。

アウディ・サミット

新型のフルサイズ・ラグジュアリーセダン「A8」は、ついに48Vマイルドハイブリッド・システムを採用し、48Vの主電源を使用した、新開発のアクティブ・サスペンションを備えている。

■アクティブ・サスペンション

従来のアクティブ・サスペンションはストロークを可変制御するために油圧式、あるいはエア式を採用していたが、新型A8は4輪にそれぞれ48Vで駆動されるモーターを装備し、モーターによりギヤ、トーションバー内蔵チューブ、機械式レバーを組み合わせた電気・機械式制御としているのが特長だ。個々のサスペンションはレバーにより発生する1100Nmの力により強制的にサスペンションを伸縮させることができる。なお可変スプリング機能として働くエア室も備えている。

アウディ アクティブ・サスペンション

アクティブ・サスペンションの制御にはプレビュー制御が採用されている。フロントカメラからの画像データをもとに、サスペンション・システムは道路の前方にある凹凸を検知し、事前にアクティブサスペンションの伸縮を調整。このプレビュー機能により、クルマがその凹凸に到達する前に適切なストローク量を作り出す。

サスペンションが適切なタイミングで事前に制御されることで、完璧にピッチングやローリングの揺れ、振動を解消することができるという。このプロセスに要する時間は、わずか1/1000秒単位という速さだ。またカメラからの路面情報は1秒間に18回検知できるという。

こうした画像データはエレクトロニック・シャシープラットフォーム(ECP)と名付けられたるシステムにより路面情報を分析し、ほぼリアルタイムで、すべてのサスペンションを正確にコントロールする。最適にチューニングされたエア・スプリングとこの革新的なサスペンション機構の組み合わせにより、まったく新しいドライビング体験が実現し、フラットで優れた乗り心地を提供する一方で、スポーティな走りを好むドライバーの要求にも応えることができる。

この新しいアクティブ・サスペンションは、コーナリング中のロールや、ブレーキ、加速時のピッチングが徹底して抑え込まれ、リヤシートの乗員も仕事に専念でき、カップに入ったコーヒーも溢れることはないという。

■ダイナミック・オールホイール・ステアリング(4輪操舵)

新型A8は、ダイナミック・ステアリングと後輪操舵を組み合わせたダイナミック・オールホイールステアリングにより、敏捷性と安定性という、相反する目標も同時に達成している。フロントのダイナミック・ステアリングは好みにより調整可能で、後輪操舵による高次元の操縦安定性を実現。さらに低速時の同位相操舵により、最小回転半径はA4のそれより小さくなっている。

アウディ ダイナミック・オールホイール・ステアリング(4輪操舵)

■衝突安全性の向上に寄与するアクティブ・サスペンション

新型A8はアクティフ・サスペンションのシステムとクルマの周囲360度をモニターできるセーフティ・システムを組み合わせることで衝突安全性を一段と高めている点もユニークだ。クルマの周囲360度をモニターするセンサーにより、衝突が避けられない状況をいち早く検知し、25km/h以上で側面衝突が予想される場合にはサスペンションのアクチュエーターを作動させ、衝撃を受ける側のボディの車高を0.5秒以内に約80mmリフトアップ。

その結果、サイドシルやフロアの構造部など、ボディの、より強度の高い部分で衝突の衝撃を受け止めることができ、乗員にかかる衝撃を従来より約50%低減することができるのだ。

このように新型A8はこれまでのラグジュアリーセダンの常識を打ち破る多くの革新的なテクノロジーを満載している。より細かな情報は7月11日以降に発表される予定だ。

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