GRヤリスとは
GRヤリスは、単にコンパクトなスポーツモデルというクルマではなく、当初からWRCで使用するFIA公認のラリーカーベースになるクルマとして企画されており、競技ありきのモデルです。
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2020年から適用されるWRCラリーカーは、グループAの公認を取得することが前提条件となり、ベース車両はシリーズ全体で2万5000台以上(つまり量産車)で、直接の競技ベースモデルは連続する12ヶ月間で2500台が生産さる4座席の市販モデルであることが求められています。
したがってトヨタGAZOOレーシングとしては、大量生産のベース車両がヤリス、競技ベースモデルがGRヤリスとなり、グループA規定に従いGRヤリスは1年以内に2500台以上生産する必要があります。
WRCではGRヤリスはグループA仕様となり、ベース車両以外の主要部品もグループAの公認を受けることが必要です。一方、エンジン排気量は1.6Lターボ、駆動方式は4WDと規定され、そのため、専用エンジンとして高出力型の専用エンジン「G16E-GTS」が開発されました。
WRCのためのGRヤリス
そのため、GRヤリスはまさにWRCのために生まれたクルマで、量産モデルのヤリスとは違い、トヨタの元町工場内のGRファクトリーで生産される少量生産車です。プラットフォームはTNGA-Bをベースにしながらシャシーを強化。サスペンションなどは専用に開発されています。
またアッパーボディも標準のヤリスとは別物で、ワイド&ローの3ドア ボディで、全幅は1805mm(+110mm)、全高は1455mm(−60mm)となっています。ヤリスはヨーロッパ仕様は日本よりワイドボディにしていますが、GRヤリスはそれを遥かに上回るワイドボディで、ルーフ高を低めています。
さらに軽量化のためにボンネット、リヤゲート、ドアパネルはアルミ製、ルーフはSMCカーボン製としています。
なお価格は未公表となっていますが、特別仕様車の「RZ ファーストエディション」が396万円とされているので、それよりやや低い価格が設定されそうです。装備レスの「RC」が350万円くらいと予想されます。