ZFが持つ統合安全技術のアドバンテージ

--井関氏
「例えばレベル5の車両になると、シートの向きが必ずしも進行方向に向いていることはなくなり、対面になったり、あるいはシート位置自体が自由に変更でき、さらにはシートがベッドのように寝そべるような姿勢になって乗車しているケースも想定できるわけです。そうした場合にも乗員の安全を確保する必要があり、開発を進めています。つまり、シート位置が一定でないため、エアバッグの搭載場所が固定できません。そうしたケースには、天井からエアバッグが展開するシステムで対応しようと開発しています。また、シートバックを大きく倒し、リラックスした状態での衝突があった時、人はサブマリンとなりダッシュボード下へと入り込んでしまいますが、座面を瞬間的に持ち上げることで乗員が前にスライドするのを防ぐシートの開発を始めたりしています」

こうした統合制御を行なうことでビジョン ゼロに向けてZFは開発を続けているが、冒頭にも書いた様に、統合制御できる範囲がかなり幅広いので、ひとつひとつのソリューションを設定するより、多くのポートフォリを一つのロジックでまとめることができるというのは、乗員安全の上でも大きなアドバンテージを持っていることがわかる。つまり、統合された安全システムなしには次世代モビリティは成立しないということができるだろう。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>

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