高性能センサー・メーカーのamsが業界初の半導体LiDARシステムをZF、IBEOに提供

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オーストリアに本社を置き、高性能センサーの設計、開発、製造のグローバル・リーダーである「ams」社は、2019年5月21日に都内車載向けセンサー製品の紹介と、同社が開発した業界初の半導体レーザーを使用するLiDAR(レーザースキャナー)システムを、ドイツのZF社、IBEO社に提供することを発表した。

amsのトーマス・ストックマイヤーCEO
amsのトーマス・ストックマイヤーCEO

製品概要

今回、ZF、IBEOへの提供が決定した半導体LiDARシステムは、今後の高度運転支援システムや自動運転化には欠かせない重要なセンサーだ。現在のLiDARは、光源で発生させたレーザー光を鏡面で反射させて、周囲を照射し、その反射光を受信する仕組みで、360度をカバーするためには鏡面と受光部を常時360度回転させる必要がある機械式だ。

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そのため、LiDARのボディを小型化するには限界があり、同時に鏡面を常時機械的に駆動しているため、メカ的なトラブルの発生も排除できない。したがって次世代のLiDARは機械駆動を使用しない方式を各センサーメーカーが開発しているのだ。

その一つがMEMS(Micro Electro Mechanical System:微細加工デバイス)方式だ。機械要素部品、センサー、アクチュエーター、電子回路を一つの基板上に微細加工技術によって集積化したもので、ミラーやコイル、磁石などで構成される電磁式のMEMSミラーを用いてレーザー光を走査させる方式が開発されている。

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もう一つは、ソリッドステート(半導体)方式で、レーザー発光素子と受信素子を平面に整列させたLiDARだ。ams社はこの半導体LiDARの開発に成功し、これがLiDARの専門メーカーであるIBEO(Ibeo Automotive Systems GmbH)社、ZF社に提供することになったのだ。

ams社のLiDARシステムの特長は、独自のVCSEL(面発光型半導体レーザー)と呼ばれるレーザー素子を使用していることで、より高性能なレーザー照射が可能であるとともに、機械的な要素がゼロのため、信頼耐久性が極めて高い。

ams、IBEO、ZFの3社は、2021年までにこの技術を市場導入できるよう、共同で研究開発を進めるとしている。

amsとは

ams社の本社はオーストリアにあり、現在では同社が開発、製造する高性能センサーは、産業用、医療用、自動車用の分野でグローバルリーダーとなっている。2018年の売上高は1762億円で、世界各地に18ヶ所の開発センターがあり、従業員は9000名を擁している。そして本社、シンガポールに自社製ウエファー製造工場を持っている。

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製品群としてはCMOS光学センサー、高性能イメージングセンサーや医療用マイクロカメラ、オーディオセンサー、ノイズキャンセリング、産業用の位置センサー、気体の統合センサー、超音波流量センサーなどを展開している。

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近年ではスマートフォン用の光学3Dセンサー、医療用のヘルスモニターや使い捨て式カメラ、インダストリー4.0にける生産機械用センサー、自動車用としてはドライバーモニター、先進照明システム、LiDARなどの分野で大きく成長している。

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特に自動車用の各種センサーは、現在でも平均で100個近いセンサー類が搭載されており、将来的には200個以上のセンサーが搭載されると予測されており、ams社は車載センサーの開発を特に重視している。

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