【TRW】ブレーキバイワイヤー「IBC」システムを発表 量産化は2015年の予定

アメリカの自動車部品メーカーで、アクティブセーフティ、パッシブセーフティ・システムの世界的リーダーであるTRWオートモーティブは、2012年9月17日、ミシガン州で開催されたイベントにおいて、革新的なESP統合ブレーキシステム、インテグレーテッド・ブレーキコントロール(IBC)システムを公開した。

TRWのブレーキングエンジニアリング部門副社長であるジョセフ・ピッケンハーンは次のように語る。「IBCシステムは卓越したブレーキ性能が特長で、例えば、レーダーやカメラなど次世代の運転支援システムと組み合わせることによって、自動緊急ブレーキ(AEB)など様々な機能を提供することができます。特にユーロNCAP(欧州の安全性能評価基準)における5つ星の最高評価や、米国衝突試験のトップセーフティピック(Top Safety Pick)の取得要件が厳格化され、安全性能の重要性が従来より高まっている現在、TRWのIBCは最高の次世代ブレーキソリューションであると自負しています。IBCはブラシレスモーターによって、非常に優れたブレーキ性能とESP性能が実現されています。なぜならブラシレスモーターによって非常に高い油圧の圧力上昇率が実現され、最終的には150ms未満で1Gの減速が可能となるのです」

つまり、このIBCはバキュームブースターに依存せず、ブレーキ性能の向上とブレーキシステムのシンプル化を目指した革新的なシステムなのだ。

従来のブレーキシステムは、ESPシステムとして、バキュームポンプ、バキュームブースター、電装ケーブル、センサー、スイッチ、電子コントローラーなどが必要であったが、IBCはこれらを単一のユニットに統合したブレーキ・バイワイヤーシステムなのだ。

IBCシステムの核心となる油圧アクチュエーターには、超高速で作動するブラシレスモーターを採用。さらにこのアクチュエータをモニタリングするロータリーエンコーダーを採用している。エンコーダーはモーターの回転数、回転速度、位置などのデータを常にコントロールECUに送信するようになっている。また、ドライバーのブレーキの踏み込みを、信号によりシステムに伝達することで従来のバキューム/油圧式ブレーキと同じ動作フィーリングを生み出す独立した油圧回路を備えている。

IBCは従来のESPシステムと比較すると、パッケージングと重量の面で大幅な減量化を実現しいる。従来のコンポーネントセットが7kgであるのに対し、IBCの重量は4kg以下とシステム重量は大幅に軽量化されている。

なお、このIBCは、2015年に量産が開始されると発表されている。

TRWオートモーティブジャパン公式サイト

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