自動車部品サプライヤーで、予防安全や乗員安全システムの世界的リーダーであるTRW は2011年10月11日 、次世代タイヤ空気圧モニターシステム(TPMS)を開発したことを明らかにした。この次世代TPMS は、複数のセンサー技術を組み合わせることにより、タイヤの自動位置検出機能を提供するハイブリッド・システムだ。
↑空気圧に異常のあるタイヤ位置の検出が自動化された
次世代TPMSでは、ホイールに搭載されたTPMSセンサーがタイヤ内部の空気圧と温度を計測し、このデータと車両のアンチロックブレーキシステム(ABS)や横滑り防止装置(ESC)ホイールスピードセンサーからのデータを組み合わせることで自動的にタイヤの位置を検出し、空気圧が低下しているタイヤ(1本または複数本)をドライバーに通知する。
TRWの現行モデルである空気圧モニターシステムと同様に、次世代TPMSでもホイール搭載式の4 つの基本センサーが個々のタイヤの空気圧レベルを直接モニターするが、センサーの位置を検出するために従来必要だった電子イニシエーターが不要となる。また通常、レシーバーは乗員コンパートメントに搭載され、TPMS センサーと車両のABS/ ESC センサーからのデータの相互関係に基づいてタイヤの位置を検出する。
TRW のハイブリッドTPMS の量産は2013 年に開始する予定だ。
またTRWは10 月11 日にドイツのヴュシュハイム近郊で開催された試乗会において、先進的な「前方歩行者検知及び衝突緩和システム」を公開した。今回のシステムは高度な信号処理アルゴリズムを活用して、ビデオカメラおよびレーダーセンサーからのデータを統合。さらに横滑り防止装置(ESC)と組み合わせることで車両のブレーキを自動的に作動させ、万一歩行者と衝突した際にも衝撃を緩和する機能を有している。
この歩行者検知システムは、スケーラブル・ビデオカメラと24 GHz レーダーセンサーからの情報を統合して機能する。カメラが前方の歩行者を検出し、これがレーダーによって確認されると、高度なリスクアセスメント・アルゴリズムによって衝突の可能性を判断。これに基づき、ドライバーに対して警告が発せられるとともに、ブレーキを自動的に作動させ、減速して衝突の衝撃を緩和する。この機能は現在TRW が製造・提供しているレーダーセンサーを使用した緊急ブレーキシステムと同様の仕組みを用いている。
TRW では2014 年までに、フルブレーキング機能を搭載した前方歩行者検知及び衝突緩和システムの生産開始を予定している。