横浜ゴム 高重量車両向けHLCタイヤの販売スタート

横浜ゴムは2023年3月20日、大容量バッテリーを搭載するEV、ハイブリッドカーや大型SUVなど高重量車両に対応するため、高い負荷能力を持つHLC(ハイロードキャパシティ)タイヤの生産・販売を開始したと発表した。この新開発タイヤは新車装着(OE)用、その補修向け(リプレイス・タイヤ)用を先行して進め、将来的には市場ニーズに合わせ補修市場向け商品への展開も視野に進めていくとしている。

新開発されたHLCタイヤ。サイズ表示もHLが付加される

HLCタイヤは従来のXL(エクストラロード)規格(空気圧および負荷能力をスタンダード規格より高く設定した規格)のタイヤでは、負荷能力とその他の性能を高いレベルで保持することが困難である高重量車両が今後も増加することを想定し、ETRTO規格(欧州タイヤおよびリム技術機構が定めたタイヤとリムに関する標準規格)の乗用車用タイヤ・カテゴリーで、従来のXLタイヤよりさらに高い負荷能力を持つ新たなタイヤ・サイズとして設定されている。

275/35R23サイズにおける負荷能力を比較した場合、従来のXLタイヤが900kg(ロードインデックス104)であるのに対し、HLCタイヤでは1000kg(同108)となる。なお、HLCタイヤはタイヤのサイズ表示の先頭に「HL」と表示される。

想定よりも大きな荷重をかけてシミュレーションした結果。荷重がかかった時の発熱量とひずみの比較で(左:通常タイヤ、右:HLCタイヤ) HLCタイヤの方が発熱量とひずみが小さく、荷重耐久性が高い。

HLCタイヤの設計には高い荷重耐久性を持ちながら、静粛性や操縦安定性を確保する高度な技術が求められる。横浜ゴムは高荷重に起因する故障に対するシミュレーションを繰り返し、通常のタイヤに比べ高荷重時の発熱量とひずみが少なく、荷重耐久性と他性能とのバランスを実現するHLCタイヤ専用のプロファイルを開発している。

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