シェフラー 電動マシンによるFIA世界選手権「フォーミュラ E」に本格参戦

シェフラー フォーミュラE
レース開幕に先立ち、英国ドニントン・サーキットで行なわれた合同テストに参加したABT シェフラー アウディ スポーツチームのマシン

2015年8月25日、自動車部品のグローバルサプライヤー、シェフラーはFIA フォーミュラEの第2シーズンに参戦することを発表した。同社は2014年シーズンからABTチームのサポートを行なってきたが、2015年シーズンからは電動システム開発を含めた本格参戦となる。

2014年シーズンから発足した内燃エンジンを搭載しない電動フォーミュラカーによるFIA世界選手権「フォーミュラE」は10月17日に第2シーズンの開幕を北京で迎える。

フォーミュラEの第1シーズンは、すべてのチームが「スパーク・ルノー・SRT 01E」によるワンメイク・マシンで戦われたが、これから開幕する2015/2016年シーズンは、モーターやパワーエレクトロニクスの独自開発が認められることになっている。

シェフラー フォーミュラE
2014年仕様のフォーミュラE。この時点では、オリジナル開発は認められず、標準仕様の「スパーク・ルノー・SRT 01E」のまま

そのため北京に向けての輸送に先だち、シーズン前の最終合同テストがイギリスのドニントン・サーキットで8月14~18日に行なわれた。

シェフラーはチームABTスポーツライン・チームの専属技術パートナーとして、新たな電動パワートレーン「ABT シェフラー FE01」を開発した。これまではマクラーレンが開発したユニットを各チームが使用していたが、いよいよオリジナルのユニットが投入されるわけだ。

パワートレーンの中核となるのは「ABT シェフラーMGU 01」と名付けられた電気モーターだ。プロジェクトでは、実現しうる最高の効率、高い信頼性、冷却の改良による最適な熱管理を実現しているという。

シェフラーの最高技術責任者のペーター・グッツマー博士は、次のように語る。「新しいモーターは、以前のものよりもトルクと効率性が向上しています。最初のミーティングは約10ヶ月前に行なわれ、そのわずか半年後には最初の部品が生産されました。モータースポーツの常であるように、非常に厳しいスケジュールでしたが、現在計画通り進んでいます」

さらにモーターと組み合わされる新しいトランスミッションも開発している。新しいトランスミッションは、シェフラーのパートナーであるヒューランド社が特別仕様として製造し、より剛性が高く、コンパクト化されている。

1周のシフト回数を最小限に抑えるため、変速ギヤは3速を選択している。また、サスペンションも最適化され、剛性、運動性能が向上。そして新たに開発されたエネルギーマネジメントのソフトウェアも投入される。これによりEV性能とエネルギー管理を完璧に調整することが、ドニントン・サーキットでのテストの目的であった。

「私たちにとって、何事も中途半端にすることはできないことは最初から明白です。そのため、レギュレーションで発表されたすべての領域を検討し、パートナーと一緒に当社独自の最適化されたソリューションを開発しました」とペーター・グッツマー博士。

「ハイブリッドソリューションや100%電動化を含む電動モビリティは、未来のモビリティを定義する重要な要素になります。フォーミュラEへの参戦は、このテクノロジーの最先端に立つ理想的な方法であり、当社がモータースポーツの世界と同様に、限界に挑戦し競争心を持つことをエンジニアに求めているということを示しています」と語っている。

シェフラー フォーミュラE

シェフラーは、ドイツのチームのパートナーとしてフォーミュラEに当初から参戦していたが、いよいよ次の一歩を踏み出す。

「ABTスポーツライン・チームとの協力は特筆すべきものです。チームは第1シーズンから参戦し、プロとして成功を目指して仕事に取り組んでおり、未来のモビリティ社会のためにという当社のビジョンを伝える最適な役割を担ってもらっています」とグッツマー氏は語る。

今シーズンのチーム名は「ABT シェフラー アウディ スポーツ」で、ドライバーも2014年シーズンから受け継いでいる。コックピットに座るのは、ダニエル・アプトとルーカス・ディ・グラッシだ。彼らは第1シーズンはシリーズ3位に入っている。ルーカス・ディ・グラッシは、11戦の最後までドライバーズタイトルを争い続けた。

フォーミュラEは、アジアでの開幕戦に続き、南米、北米、ヨーロッパを含む世界中で開催される。今シーズンは初めてパリ市街地でのレースも予定されているほか、2016年5月21日にはシェフラーの地元ベルリンでも開催される。

 

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COTY
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