2017年5月16日、住友ゴムは、タイヤの回転により発生する車輪速信号を解析することで、路面の滑りやすさやタイヤにかかる荷重などの情報を検知するタイヤセンシング技術「SENSING CORE(センシングコア)」を開発したと発表した。
住友ゴムは、これまでタイヤの回転から車輪速信号を解析し、タイヤの空気圧低下を検知し、その検知した情報をドライバーに警告する「タイヤ空気圧低下警報装置 DWS(Deflation Warning System)」を開発している。このDWSは、すでに世界各国の多くの車両に純正採用されている。
今回の「センシングコア」は、このDWSで使用している技術をベースに、さらに進化、発展させて生まれたもので、追加のセンサーを必要とせず、既存の車輪速信号を使ってソフトウェアで検知するため、メンテナンスフリーで低コスト化を図ることができる技術という点が大きな特徴だ。
タイヤは常に路面と接し、車両の重量を支えているが、新開発した「センシングコア」はそのタイヤから得られるさまざまな情報を、独自に開発したアルゴリズムによって検知し、車両やドライバーに提供するもの。そのアルゴリズムは100年を超えるタイヤ開発により得たタイヤ特性に関するさまざまな知見が活用されているという。
具体的には車輪速信号を解析・統計処理することによって、タイヤの空気圧低下のみならず、路面の滑りやすさや四輪それぞれのタイヤにかかる荷重などをリアルタイムに推定する。さらに将来的にはこの技術を応用し、タイヤの摩耗や損傷などを推定することや、得られた情報をビッグデータとして収集、分析し、他の車両へ配信することが期待される。
このように「センシングコア」は、ドライバーのより安全な走行に寄与するとともに、今後、急速に進む自動運転車の高度化にも繋がる技術と位置付けられている。