【ダンロップ】天然ゴム農家支援を拡大 収益改善と森林減少抑制に成果

ダンロップ・グループの天然ゴム調達会社であるSUMITOMO RUBBER SINGAPORE PTE. LTD.は2026年4月30日、サプライチェーンにおける同グループのパートナーであり、天然ゴムの生産・流通を手がけるHalcyon Agri Corporation Ltd.(ハルシオン・アグリ)の天然ゴム加工会社PT Hok Tongと共同で、2022年からインドネシア南スマトラにおいて天然ゴム農家を支援する「Traceability and Transparency Pilot Project(SNRプロジェクト)」を実施してきたと発表した。

この取り組みにより、天然ゴムの生産性が向上し、生産者(農家)の収益改善につながっている。また、同一農地で安定した収入を得られるようになったことで、農園拡大の必要性が低下し、それに伴う森林減少の抑制にも寄与している。これらの成果により、持続可能な天然ゴム調達に向けたダンロップ・グループの取り組みは、さらに前進した。

同グループの持続可能な事業活動において、天然ゴムをはじめとする自然資本は不可欠な基盤である。ダンロップ・グループでは、TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づき、事業活動における自然資本への依存と影響、ならびにそれに伴うリスクと機会の特定・評価を進め、その対応を推進している。

その中でも天然ゴムについては、「持続可能な資源」として将来にわたり活用していくことを重要な経営課題の一つと位置づけている。

天然ゴムは、タイヤをはじめとするモビリティ産業に欠かせない重要な原材料である。一方、その生産の多くは大規模プランテーションではなく小規模農家が担っており、栽培方法や加工技術に関する知識不足などによる生産性・品質の低下、さらには収入の不安定さが、農園拡大による森林減少や生産地域における社会課題につながるリスクがあると認識されている。こうしたリスクへの対応の一環として、同グループでは小規模農家の生産性向上と生活水準の改善を目的とした支援活動を実施している。

本プロジェクトでは、ハルシオン・アグリと協働し、天然ゴムのトレーサビリティおよび透明性の向上に加え、インドネシア南スマトラにおける生産者(農家)の生活水準改善を目的とした支援を行ってきた。天然ゴムに特化した環境・社会的リスク評価ツール「RubberWayR」によって同地域で抽出された、賃金水準および農業慣行に関するリスクへの緩和策として、生産状況の実態調査や原料の流通経路の把握を実施。さらに、生産性向上に向けた技術研修の実施や、肥料の提供、施肥技術の指導などの支援を行っている。

2022年から2025年まで(新型コロナウイルス感染症による一時的な中断期間を含む)の約3年間で、1000件を超える農家に対して支援を実施した。現地での対面による農業技術指導を重ねることで、農家との円滑な意思疎通と信頼関係の構築にもつながっている。これらの取り組みにより、対象地域における天然ゴムの収量は最大約19%増加し、農家の収益も約25%向上するなど、生産性と生活水準の両面で顕著な改善効果が確認されている。

ダンロップ・グループは、企業理念体系「Our Philosophy」を体現するため、マテリアリティ(重要課題)を特定し、長期経営戦略に組み込んでいる。今後もハルシオン・アグリとの取り組みを継続するとともに、他地域や他のパートナーへと展開することで、天然ゴムの持続可能かつ安定的な調達の実現と、生産地域の環境保全や生産者の生活水準向上といった社会課題の解決に貢献していくとしている。

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