【住友ゴム】商標の独占使用権を取得 「ダンロップ」ブランドのグローバル展開を実現

住友ゴムは2025年12月3日、マレーシア、シンガポール、ブルネイにおけるタイヤ(航空機用と冬用タイヤは除く)、チューブなどの製品に関して「ダンロップ」ブランドの商標の独占使用権を、従来のサブライセンス先であるコンチネンタルタイヤ・マレーシア・グループから取得した。この結果、これら地域で2026年1月1日より「ダンロップ」ブランドでの販売事業を開始することになった。

住友ゴムは2025年1月にグッドイヤー社からヨーロッパ、アメリカ、オセアニア地域における4輪タイヤのダンロップ商標権等を取得しており、これで念願のグローバルでの「ダンロップ」ブランドの展開が実現したことになる。

住友ゴムはもともと国内では「ダンロップ」のブランド名を使用していたが、1985年にイギリスのファンドが「ダンロップ」のブランド名を住友ゴムに売却したため、イギリス、ヨーロッパでもダンロップ・ブランド名が使用できるようになっていた。

しかし1999年に、住友ゴムがグッドイヤー社と提携を結んだため、ダンロップのタイヤ製造・販売については、アメリカ、ヨーロッパ市場はグッドイヤーが担当し、日本を含むアジアの主要市場では住友ゴムがそれぞれ担当することになった。したがって、住友ゴムはヨーロッパ市場では「ファルケン」ブランドによりタイヤ販売を行ない、その他地域では住友ゴム「SR」ブランドを使用した。

こうしたブランドのねじれが、2025年になってグッドイヤー社とコンチネンタルタイヤ・マレーシア・グループからブランド権の買取により解消することができ、伝統ある「ダンロップ」ブランドをグローバルに展開できるようになったわけである。

ダンロップ・ブランド戦略発表会に登壇した山本悟社長(中央)、イギリス、ヨーロッパ、アメリカ担当のCEO

そのため、新たにブランドステートメント「TAKING YOU BEYOND」を策定し「ダンロップ」をグローバル・プレミアム・ブランドとして訴求することとなり、12月3日に「ダンロップ・ブランド戦略発表会」を開催した。

今後、住友ゴムは「ダンロップ」ブランドを経営の中心に据え、グローバルで統一されたブランドコミュニケーションを展開することになる。住友ゴムのブランドの中で「ダンロップ」をトップとし、ヨーロッパで定着している「ファルケン」ブランドも並行して使用する。そしてスポーツ用品ブランドは「ダンロップ」、「SRIXON(スリクソン)」、「XXIO(ゼクシオ)」など製品ブランドも同時に展開していくことにしている。

これに合わせて、世界各地の販売会社も社名を変更した。アメリカ市場の住友ラバー・ ノースアメリカはダンロップタイヤ・ノースアメリカに、ヨーロッパ地域を統括するドイツのファルケンタイヤ・ヨーロッパはダンロップタイヤ・ヨーロッパに。そして「ダンロップ」の発祥の地であるイギリスでは、SRIXONスポーツ・ヨーロッパはダンロップ・ゴルフ・ヨーロッパに変更。

そしてブランドステートメント「TAKING YOU BEYOND」に合わせてブランドをより強化するために、イギリスを新たなブランドとマーケティングの発信拠点とすることを決定した。

ダンロップ・グローバル サイト:https://www.dunlop.com

タイヤやスポーツ用品におけるプレミアム商品のグローバル展開に加え、モータースポーツへの積極的な参入や、テニスやゴルフといったスポーツ競技でもより強力にアピールを行ない、ブランド価値をさらに高めていくことになる。

この戦略説明会では、タイヤの新製品に関する展開のロードマップや、それを実現する新技術の導入についても紹介。すでに、オールシーズンタイヤ「ダンロップ・シンクロウェザー」の欧米投入(2027年予定)に加えて、2027年7月には福島県の白河工場で欧米向けの高性能スポーツタイヤの生産を開始すると発表した。

また、タイ第1工場で北米向けSUV/ピックアップ用大外径タイヤを(2027年1月)、タイ第2工場では欧米向けプレミアムオールシーズンタイヤを(2027年8月)を、インドネシア工場では北米向けプレミアムオールシーズンタイヤを(2028年4月)、それぞれ生産開始することも発表した。

そしてこれらの工場は、コンパクトな最新世代の自動成形機や、シームレスな自動搬送システム、データ駆動型の生産管理システムからなる「プレミアム商品専用ライン」を導入し、既存設備の稼働を止めることなく、最新設備への移行を推進する。

タイヤ技術では、「SDIプラットフォーム」の導入による設計の共通化や、従来製品より25%の重量軽減を目指して軽量化技術を導入するなど、革新を継続的に行なっていくことになる。

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