【デンソー】消費電力を大幅カットする画期的なエアコンシステムを開発

DENSO新エアコンシステムの画像
↑これが開発された新しいエアコンユニット

2012年4月24日、デンソーは車室内を運転席と助手席、後部座席の3つのゾーンに分け、乗員がドライバーのみの場合には運転席だけを空調することが可能なカーエアコンシステムを世界で初めて開発したことを明らかにした。このシステムで運転席のみを空調した場合、従来のカーエアコンに比べて使用するエネルギーを通年で約2割(※1)削減することが可能になったという。

今回開発されたシステムでは、冷風や温風を生み出すエアコンユニットに新構造を採用。通常は分かれていないユニットの内部を5つに分け、それぞれを車室内に配置されている吹き出し口(※2)に直結している。これにより乗員のいないゾーンへの空調をボタン操作で止めることが可能になり、複数のゾーンを空調する場合にもゾーンごとに温度設定ができるようにしている。また、さまざまな環境での使用を想定した試験とシミュレーションを繰り返すことにより、最適な制御(※3)を実現。酷暑や酷寒の環境下でも快適性を維持したままで、エネルギー(=燃料)消費を抑制できるようになったとのことだ。

●エアコンユニット内の区分(右ハンドルの場合)

DENSO新エアコンシステムの画像

さらに暖房運転時のエアコンは従来、車室内の換気と窓の曇りを防ぐため、低湿度な外気を取り込んで使用していたが、その分、暖かい空気を車室外に排出していた。今回開発したシステムは新構造のエアコンユニットを採用したことにより、外気を使用する範囲をフロントガラス手前とダッシュボードの吹き出し口に限定することが可能になった。その結果、車室外に排出していた暖かい空気の量を通常のエアコンと比べて約半分に減少させることができ、暖房の熱をより効率的に使用できるようになった。

この新型エアコンシステムは新型レクサスGSの一部モデルに搭載されている。なおデンソーではこのエアコンシステム以外にも、従来比40%の小型・軽量化を実現した新型ラジエーターなど、さまざまな製品をレクサスGS向けに供給している。

※1:デンソーが実施した実車テストに基づく数値。

※2:ドライバー席向けの2カ所(足元部分/フロントガラス手前のダッシュボード部分)と助手席向けの2カ所(同左)、後部座席向け1カ所の合計5カ所。

※3車室内の温度や外気温の状況によって、乗員がドライバーのみの場合でも助手席や後部座席を空調することがある。

デンソー公式ウェブ

COTY
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