ブリヂストンのSUV向けプレミアム・コンフォートタイヤ「アレンザ」の第2世代がデビューした。初代のアレンザLX100の後継モデル「アレンザLX200」は、ブリヂストンのタイヤ基盤技術であるENLITEN(エンライトン)をベースに、より上質な乗り心地や静粛性を高めて登場した。

そのアレンザLX200をテストする環境があったのでお伝えしよう。まずは専用のテストコースで、車両のふらつきや、応答性、リヤの追従性、揺れや振動の収束、そして直進安定性をみることができるコースで試乗した。車両はレクサスNX350hとハリアーを使ってLX100との違いも体験することができた。
SUV用プレミアムコンフォートタイヤ「アレンザLX200」
コースでは40km/hのスラローム、60km/hでのレーンチェンジでハンドリングの違いを体験。LX100に対し新商品のLX200では滑らかさとしなやかさが全然違うことを感じる。後に開発エンジニアに聞けば、キビキビした性能ではなく、しなやかさ、素直さ、そしてスムースに走ることを狙って開発しており、キビキビした性能であればアレンザ001というスポーツ系のタイヤがあると説明していた。

次に乗り心地のテストでは地面に置かれたロープを乗り越え、そして障害物を乗り越えるゾーンで試乗。ここでは、LX100に対してLX200は収束の速さが顕著な違いとして感じられた。いつまでも振動や揺れが続くのではなく、スパッと収まる動きだ。また左右のばたつきもよく抑えられている違いがあった。


次にメルセデス・ベンツのGLCで公道を走行。周辺の自動車専用道路と一般道の走行だが、走り出した瞬間から「なんだ、この滑らかさは!」と思わず口にするほどで、めちゃくちゃ滑らかに、タイヤが丸く転がっていく感覚が気持ちよかった。また凸凹のある路面ではまろやかに感じられ、角の丸い乗り心地になっていた。
こうした新旧の顕著な違いは前述のエンライトン技術によるところが大きい。エンライトンは簡単に言えば、薄く、軽く、丸く作っており、無駄なゴムを減らし軽量化しつつ、ゴムのつなぎめが出ないように真円率を高める技術で作っている。LX100はそのエンライトン技術が確立するまえのタイヤ設計であるため、その違いが顕著に伝わったわけだ。



さらに新パターンの最適化で静粛性を高め、タイヤ全体の形状や構造において、しなやかに変形をするタイヤを目指していることもポイントだ。つまり、ステア 応答の素直さやリニアなフィール、思った通りに動くといった反応の領域で違いができている。
テスト車両のGLCもハリアーも、乗り心地の良い部類にあるモデルだが、このアレンザLX200を装着すると「GLCってこんなにしなやかだったっけ?」という印象やハリアーでは「ひとクラス上に格上げされた印象」を持ったのだ。



スタンダードタイヤ「フィネッサHB01」

さて、この日はこのアレンザLX200だけでなく、まったく、コンセプトやポジショニングの異なる量販車向けスタンダードタイヤの試乗も行なわれたのだ。試乗はフィーリングによるところが大きいので、コンセプト違いのタイヤは評価しにくくなるが、違いが大きかっただけに印象が混乱することはなかった。
その新商品は「フィネッサHB01」というタイヤ名で、FINEとSAFETYから作られた造語だ。快適で心地良いファインと安全性能の双方をタイヤのコンセプトにしているスタンダードタイヤに位置付けられている。

ブリヂストンにはエントリーモデルにNEWMO(ニューモ)や燃費に効くECOPIA(エコピア)、そして乗り心地やハンドリングを格上げするPLAYZ(プレイズ)といったタイヤがラインアップしているが、どうやら、このフィネッサはプレイズの後継に位置付けているのだろう。

こちらは公道試乗だけで、ニューモとの比較試乗。プリウスに装着してその違いを体感した。最初にニューモを履いたプリウスで国道を走行。国道にはさまざまな路面状況があり、荒れた路面、いわゆる粒ザラな路面もあれば、舗装改修したばかりで滑らかな路面もあって、その違いが明確に感じることができた。
ニューモは動き出しからシャー音がでていて、全車速域でシャーという音が聞こえている。プリウスは静粛性は高いモデルなので「あれ?こんなにうるさかったっけ?」と車両評価の誤認識につながる印象だ。
粒ザラ路面では、「まぁ、仕方ないかな」といった印象になるほど荒れた路面だった。また綺麗な路面であれば、プリウスらしい静粛性のある走行ができていた。
次に新商品のフィネッサHB01を装着したプリウスで同じ場所を走行すると、最初に感じたのは「シャー音がないだけでグッと楽になる」というもの。やはり音は疲労につながる要素なのだと改めて感じることができた。
粒ザラ路面では全体に静粛性が高く、パターンノイズが聞こえにくい。ニューモでは音源は何?というほどさまざまな音が入ってきたが、フィネッサではその違いが明確だった。つぎに綺麗な路面に入ると静粛性の違いが顕著で、ニューモとは大きな違いがあることがわかった。
またハーシュネスにおいても違いがあり、入力が丸くまろやかになっており、また揺れの収束も速いので、スタンダードタイヤの位置付けにしてはレベルの高いタイヤといった印象を持った。
このタイヤにもタイヤ基盤技術のエンライトンで設計されており、今回はテストできていないが、とくにウエット性能を向上させているという。ブリヂストンのレーダーチャートではエコピアに対しても静粛性とウエット性能は上回っている資料を作っているのだ。





こうした性能は、大きく分けて4つの技術で作られている。まず3D-M字サイプⅡは、サイプ形状により、ブロック剛性が上がり、変形が小さくなる。さらにエンライトンにより均一な接地形状もあって、減速時の接地圧が向上しているのだ。
そのため、直進安定性やウエット、ドライ路面でのしっかりした接地性能が向上し車両を安定させることにつながっている。またウエット性能では、スプラッシュラグとスクエアグルーブによってウエット性能が向上している。
スプラッシュラグとは、ラグ溝の幅を設置端に向けて広くすることで排水性を高める形状のことだ。またスクエアグルーブとは文字通り四角い形状のグルーブが排水性を高めているのだが、この形状とすることでタイヤが摩耗しても排水量が落ちにくい性能を発揮するものだ。



そしてスリットサイレンサーといった主溝とラグ溝を繋ぎ、走行中のノイズが気になりにくい音質にチューニングする技術も搭載。パターンノイズを低減しているので、試乗時に感じた静粛性に合点がいくのだ。

総合性能ではブリヂストンのスタンダードタイヤにはニューモとエコピアがあり、新規にこのフィネッサHB01が加わったが、資源循環性も含め、すべての評価領域でフィネッサHB01がもっとも高性能なタイヤということができ、コストパフォーマンスではワンランク上の新商品ということができるだろう。













