ブリヂストンは2024年2月29日、空気充填が不要となる次世代タイヤ「エアフリー」の実用化に向けた実証実験を3月から東京都小平市近郊の公道で開始すると発表した。
この実証実験では「エアフリー」を実験車両に装着し、実際の使用環境に近い公道の様々な環境でエアフリーの特性や機能を検証し、今後の社会実装に向けた準備を進めることにしている。
将来的には、様々なパートナーとの協業で、高齢化・地方の過疎化・労働不足による移動の制限といった社会課題を解決することを目指すとしている。また、エアフリーのパンクしない特徴を最大限に活かし、タイヤの重要性がより高くなる自動運転との組み合わせの実現も目指していく。
ブリヂストンは、「エアフリーコンセプト」として2008年から空気充填の要らない次世代タイヤの開発に挑戦してきた。今回の実証実験を機に、名称もコンセプトから、社会実装を見据えた「エアフリー」へと変更し、新たな種まきとして活動を強化することにしている。
「エアフリー」への進化は、樹脂材料の素材技術と接地を極める技術を基盤に、これまでの研究開発を通じて得た知見と、デジタルを駆使したシミュレーション技術などと組み合わせ、さらにパートナーとの協業によりリサイクル可能な強くてしなやかな素材の開発と、強くてしなやかな素材の特性を最大限に活かす設計を実現している。
「エアフリー」は、タイヤ側面の特殊形状スポークで荷重を支える事によりパンクせず、安心・安全に使用できる。また、今回採用された青色スポークにより、日中から夕暮れ時まで高い視認性が確保でき、安全性の向上も期待される。
さらに路面に接するゴムの部分をリトレッドできるのみでなく、独自開発した再生可能なスポーク部分の樹脂をリサイクルすることで、資源の効率的な活用とサーキュラーエコノミーの実現に貢献する。
