ブリヂストン グアユール由来の天然ゴム実用化へ向け投資強化

ブリヂストンのアメリカのグループ会社であるブリヂストン・アメリカス・インクは2022年8月30日、タイヤの原材料となる天然ゴムの持続的な供給に向けて、アリゾナ州に保有するグアユール農園への投資を強化することを決定したと発表した。

アリゾナ州にあるグアユール栽培農園

グアユールは、アメリカの南西部やメキシコなど砂漠、乾燥地帯で育つ菊科の低木植物で、3年周期で成木に成長し、グアユール全体に天然ゴム成分を含有するため、収穫後に粉砕処理し、溶媒を使用して天然ゴム成分を抽出することができる、つまり一般的な天然ゴムを生み出すパラゴムノキの代替になりえる植物なのだ。また、グアユールを大量に植栽することでグアユール自体がCO2を吸収するため、カーボンニュートラルのためにも寄与できる。

ブリヂストンはアリゾナ州にグアユール研究農園を設立・運営している。そしてグアユール由来の天然ゴムを使用した試作タイヤが2015年に完成しており、その後はゲノム解析による優良種の拡大を推進するなど成果を得ている。また、米国農務省の国立食品農業研究所による研究開発支援対象へ採択され(2017年)、米国エネルギー省の共同ゲノム研究所からグアユール収量最適化のための研究助成金を受領(2021年)するなど多くの政府機関よからの支援を受けているプロジェクトである。

【参考記事】「グアユール」を原料とした天然ゴム試作タイヤ:https://autoprove.net/supplier_news/bridgestone/10827/?a=all

そして今年8月7日には、テネシー州(ナッシュビル)で行われたNTT インディカー・シリーズのビッグマシーン・ミュージックシティ・グランプリではグアユール由来の天然ゴムをタイヤのサイド部分に使用したファイアストン・ブランドのタイヤが初めてレーシングカーに装着されている。時速約320km/hを超えるスピードでレースが展開されるなど、高速、高耐久が求められる北米最高峰のフォーミュラカーレースで、グアユール由来の天然ゴムを使用したタイヤの安全性と運動性能が証明されている。

インディカーに装着されたグアユール由来の天然ゴムを使用したファイアストン・ブランドのレーシングタイヤ

今回の投資は、グアユール由来の天然ゴムの実用化(2026年)へ向けたもので、2025年までに約4000万ドル(約50億円)を予定している。また、地域の農家やアメリカ先住民と協力し、最大約100km2までの新たな植栽による規模の拡大を図る。

さらに、2030年へ向けては本格的な生産・事業化(2030年)を目指し、バイオ技術を活用したグアユールの栽培、グアユール由来のゴムの生産拡大への計画検討を進めている。

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