2018年6月26日、ブリヂストンは、より高次元の価値を提供するためのスマートファクトリー構想を発表した。このスマートファクトリー構想は、商品戦略、開発、製造、販売、ユーザーの製品使用過程など、バリューチェーン内で保有する様々な情報を、独自のICT/IoT(情報・通信に関する技術とあらゆる機器のインターネット化)技術で繋ぎ、統合した情報のビッグデータ解析やシミュレーションを行なうことで、迅速、高品質かつ効率的なタイヤ生産を目指すもので「インダストリー4.0」化を目指すとしている。
ブリヂストンは現在、バリューチェーンのデジタル化に向けた技術革新を実行しており、その基盤となるのがブリヂストン独自のICTである「Bridgestone Intelligent Office(BIO)」、「Bridgestone Intelligent Device(BID)」だ。
2016年には、このICTを搭載した最新鋭タイヤ成型システム「EXAMATION」(イグザメーション)でのタイヤ生産も始めているが、現在はさらに「BIO」、「BID」を活用した解析/予測技術、高精度加工技術、センシング技術開発を多岐の領域で進めているという。
またICT/IoT技術は、頭脳部分に該当する「BIO」でバリューチェーンに蓄積された膨大なデータの峻別と解析を行ない、システム上で繰り返しシミュレーションを行なうことで、設備や装置を自律化させるアルゴリズムを算出する。
このアルゴリズムは、生産システムを制御する人工知能(AI)を搭載した「BID」により、各製造工程に実装することで、市場におけるタイヤの情報や開発情報を自動的に製造工程へ反映し、必要な性能のタイヤを迅速に開発、製造しユーザーへ提供することが可能となるのだ。
ドイツが提唱する「インダストリー4.0」はICT/IoT技術をフルの活用することで、より効率が高く、より最適で質の高い製品生産を実現することを目指すが、世界No1のタイヤメーカーであるブリヂストンも、こうしたコンセプトを採り入れ、動き始めたということができる。