2018年5月17日、ブリヂストンは高分子複合体の新合成技術により、ゴムと樹脂を分子レベルで結び付けた世界初のポリマーの開発に成功したと発表した。
新開発のポリマーは、耐破壊特性が高い天然ゴムと比較して、耐亀裂性が5倍以上、耐摩耗性が2.5倍以上、引張強度が1.5倍以上という画期的な性能を持っている。
今回開発した「High Strength Rubber(HSR)」は、ブタジエンやイソプレンなどの合成ゴム成分とエチレンなどの樹脂成分を独自の改良型Gd(重合)触媒を用いて分子レベルで結びつける(共重合)ことにより開発したハイブリッド材料だ。この材料はゴムのしなやかさと樹脂の強靭さを兼ね備えた次世代材料である。
なお今回採用した改良型Gd(重合)触媒は、新規ポリイソプレンゴムの合成に用いたGd触媒技術をさらに進歩させたものだという。
※参考:ブリヂストン 人工合成ゴムに成功 次世代タイヤの材料本命か?!
HSRは天然ゴムを上回る強度と耐摩耗性を持つため、例えばより少ない材料使用量でタイヤに求められる様々な性能を達成できる可能性があり、タイヤの次世代材料として有望とされている。これによりブリヂストンが2050年を見据えた環境長期目標として掲げる「100%サステナブルマテリアル化」の達成にも大きく貢献できるとされている。今後はタイヤ以外の製品へのHSR適用についても積極的に検討を進めていくという。