2017年12月14日、ボッシュはラスベガスで2018年1月9〜12日に開催される「CES 2018」に出展し、近未来のコネクテッド・シティのさまざなスマート技術を紹介すると発表した。
■スマートシティのためのソリューション
ボッシュのコネクテッド シティ向けのソリューションとして、駐車に関しては都市部における駐車のための無駄な時間を短縮する、クラウドとの通信による路上駐車スペースを確保できる「コミュニティベース・パーキング」を、そしてドライバーが乗っていなくてもスマートフォン・アプリからの操作で、自走して空車スペースを探し自動駐車する「自動バレットパーキング」が紹介される。
大規模な複合施設にも独立して制御できる、小規模なエネルギー管理システムが「DC(直流)マイクログリッドによるスマートな電力供給」システムだ。
マイクログリッドは、従来型の燃料発電と再生可能燃料からの発電のいずれの発電システムにも適合し、電力の自給自足が可能。天候やセキュリティ問題に起因する停電が電力網に及んだ場合でも、信頼性が高い電力供給源となる。
ボッシュのマイクログリッドは、従来のシステムとは異なり、交流(AC)ではなく直流(DC)で動作し最大10%の省エネが可能になる。
社会基盤システムとして「洪水早期警告システム」も提案されている。都市に近い河川や水域の水位をデジタルで、なおかつ、リアルタイムで監視し、洪水の危険性を早期に警告するシステムだ。水位はこれまで、機械的手段によって測定されてきたが、 データが第三者に提供されるまで数時間かかることもよくある。
ボッシュは超音波センサープローブとカメラが水位、水流速度や流量の変化を追跡し、このデータがボッシュ IoTクラウドに送信され、基準が危険しきい値を超えた場合には、影響を受ける自治体、住民、事業主に事前警報がショートメールで送信されるようになっている。
■次世代のモビリティ
次世代のクルマのコックピットでは、キャデラック・エスカレードをベースにしたデモ車両でエンド・ツー・エンドディスプレイと、コントロールコンセプトを展示する。
5つのディスプレイは相互接続されており、ドライバーと車両間のインターフェース 、HMI が運転の安全性を高めると同時にストレスを軽減し、ドライバーは交通状況に、より集中できるようになる。
コックピットカメラと音声認識ソフトはドライバーを認識し、シートやミラーの個人設定だけでなく、お気に入りのプレイリストも自動的に読み出してくれる。そのためドライバーは道路から目を離すことなく、ボイスコントロール機能やハプティック(触覚的)フィードバック機能を備えたタッチスクリーンで、インフォテインメントシステム、ナビゲーションシステム、空調システムを操作することができる。
またネットワーク化された車両向けのモビリティサービスは、BMW i3をベースにしたコンセプトカーで紹介される。
空いている充電スポットや駐車スペースを簡単に探し出せる、幅広い車両サービスを提供する。さらに逆走警報や事故の際に自動的に作動する緊急通報なども組み込まれている。
この他にネットワーク化に対応したボッシュの展示車両は、常時オンライン接続し、そのクルマの周囲だけでなく、所有者のスマートホームとも通信するネットワーク化されたクルマの姿をプレゼンテーションする。
■スマートホーム
ボッシュは2017年にネットワーク化されたロボット掃除機「Roxxter(ロクスター)」を発売した。この高性能で強力なロボットは、搭載されたセンサーを駆使して周囲の環境をスキャンし、インタラクティブマップを作成する。特定の作業だけでなく、進入禁止エリアに関する指示を与えることができるRoomSelect機能も搭載。 また、「Roxxter」はアマゾン Alexaを使用して、音声コマンドでの作動も可能になっている。
多くの端末やスマートホームなど、日常生活での電子機器の使用事例が増えつつあり、これに伴い、人とテクノロジーのインターフェースが重要になっている。誰にでも使いやすいインタラクティブなユーザーインターフェースの解決策としてボッシュは、マイクロスキャナーを提案する。
家電製品、タブレット端末、ソーシャルロボットなどを含む、IoT向けの正確なオンデマンドユーザーインターフェースを実現。直感的でユーザーフレンドリーな方法でデバイスと「対話」することができ、デバイスの機能を日常生活にシームレスに組み込めることが実現する。