ボルグワーナー メルセデス・ベンツ、BMWに2ステージターボ供給

グローバル・サプライヤーのボルグワーナーは、2019年6月19日に2ステージ(R2S)ターボ過給システムをメルセデス・ベンツに長期的に供給すると発表した。この2ステージ・ターボは、出力244psのメルセデス・ベンツで最もパワフルな直列4気筒ディーゼルエンジン「OM654」に装着される。この過給システムにより、厳しい排出ガス基準であるEuro 6d-TEMPをクリアし、卓越したエンジン性能を実現できる。

メルセデス・ベンツ「OM654」用2ステージターボ
メルセデス・ベンツ「OM654」用2ステージターボ

メルセデス・ベンツ OM654

「OM654」に装着されるこのR2Sは、高圧段に高性能な可変タービンジオメトリー(VTG)ターボチャージャー、低圧段にウェイストゲート付きターボチャージャーを組み合わせている。この先進的なR2S過給システムは、適正な燃焼に必要な過給により、燃費と排出ガスの低減を実現。この新しい過給システムにより旧型と比べ20%高い出力を実現している。

ディーゼル向けとして初めて、鋳鋼製タービンハウジングを採用することで優れた耐熱性を備えている。また、水冷式電動アクチュエータ、ベアリングシステム、コンプレッサーハウジングが極めてコンパクトなパッケージに統合されている。

高圧段VTGターボチャージャー内のS字形ガイド翼が、タービンホイールの入り口で流入角と速度を変更し、タービン出力を制御。また、タービンの断面積が継続的にエンジンの作動状態に適応して変化し、燃費の向上と排出ガスの低減を図る。エンジン回転数が上がると、バイパス排気流を大型の低圧段ウェイストゲート付きターボチャージャーへ徐々に迂回させる。これにより出力と卓越した効率を実現している。

BMW 2.0L直列4気筒ツインパワー・ターボディーゼル・エンジン

ボルグワーナーは2019年7月10日に、BMWグループの最新車両モデルのほとんどに搭載される最新の2.0L直列4気筒ツインパワー・ターボディーゼル・エンジンに、2ステージターボ「R2S」システムが採用されることを発表した。

BMW 2.0L・4気筒ツインパワー・ターボディーゼル・エンジン用2ステージターボ
BMW 2.0L・4気筒ツインパワー・ターボディーゼル・エンジン用2ステージターボ

この2ステージターボは、低圧段に可変タービンジオメトリー(VTG)ターボチャージャー、高圧段にウェイストゲート付きターボチャージャーを組み合わせており、BMWグループの要求に応じて特別に設計されたユニットだ。

この革新的なボルグワーナーのR2S過給システムは、コンパクトなパッケージにウェイストゲート付きターボチャージャーとVTGターボチャージャーを直列に配置。エンジンマップ全体にわたって最適な過給気を実現し、適正な燃焼に必要な過給を維持することで、排出ガスの低減と燃費の改善を実現している。

電動アクチュエーターは、ターボチャージャーのガイド翼を精密に調節し、タービンホイールの入り口で流入角と速度を制御する。その結果、VTGターボチャージャーでは、タービンの断面積が継続的にエンジンの作動状態に適応して変化し、出力の最適化を図る。これにより迅速な過給圧を上昇を可能にすることで、優れた過渡応答性能と瞬時の加速を提供する。
 
ボルグワーナー・ターボシステムズの社長兼事業本部長のジョー・ファドゥールは、「当社の業界をリードするR2S過給システムは、完成車メーカーが排出ガスの低減と燃費の改善を実現できるようサポートします。BMWグループには当社の先進技術を20年にわたって供給しており、同グループのほとんどの車両にR2S過給システムを供給することを通じて、良好な関係をいっそう強化できることをうれしく思います」と語っている。

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