2018年8月27日、トヨタ系の大手サプライヤー、アイシン精機、アドヴィックス、ジェイテクト、デンソーの4社は、自動運転・車両運動制御のための統合ECUソフトウェア開発の合弁会社設立に向けた検討を進めることに合意したと発表した。
自動車業界では、「電動化」、「自動運転」、「コネクテッド」といった革新技術による変革時代に突入している。自動運転の普及には、クルマの「走る、曲がる、止まる」に関わるセンサーやステアリング、ブレーキをシステムとして、より高度に連携するための統合ECUが必要になる。だが、従来は関連ユニットごとの独立したECUになっており、これを1個のECUに統合したほうが制御、コストの両面でも有利になる。
ただ、その統合ECUの制御ソフトウェアは大規模で複雑化している。制御ソフトウェアの高度化と開発の加速に向け、アイシン、アドヴィックス、ジェイテクト、デンソーは、4社が持つ自動運転、車両運動制御などの領域の技術知見を結集した統合ECUソフト開発合弁会社の設立に向かうことになった。設立は2019年3月を目指している。
また、アイシン、デンソーの2社は、電気駆動の時代を迎え、電動車両の駆動に欠かせないトランスアクスル、モータージェネレーター、インバーターというキーコンポーネントが一つのパッケージになった駆動モジュールの提供が求められることになる。そのため、性能、コスト、地域事情に合わせたさまざまな種類の駆動モジュールを開発・販売するために、アイシンとデンソーの強みを結集した駆動モジュールの開発・販売の合弁会社の設立検討に合意している。
新たな合弁会社では、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、燃料電池車、電気自動車などの幅広い電動化手法に対応できる駆動モジュールのラインアップを揃え、自動車メーカーのエンジンに合わせた適合までを含めて対応、販売できる体制を構築する構想だ。
今後は日本市場だけではなく、EV市場の急拡大が見込まれる中国をはじめ、世界各地域への幅広い普及を目指すとしている。なおこの合弁会社も2019年3月の設立を目指している。
従来から日本の大手サプライヤーはユニットを個別に開発する体制を構築していたため、システムの総合開発、統合モジュール化などがグローバル・サプライヤーに比べ遅れていた。だが、これからようやく巻き返しを行なう体制が整ったと評価することができる。
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