ABB FIA フォーミュラEシーズン10のラストレース。ロンドンのエクセンター展示会場で行なわれた最終戦は波乱のレースとなったが、ポルシェのパスカル・ヴェアラインがシリーズチャンピオンを獲得した。レース結果は未だ正式結果がでていな状況だ。
全16戦で戦われたシーズン10、15戦終了した時点で、ランキングトップはポルシェ/パスカル・ヴェアラインで180pt。2位はジャガー/ミッチ・エバンス177pt、3位同じくジャガーのニック・キャシディ173pt。この3人で先にゴールしたドライバーがチャンピンになる可能性が大きいレースだった。
そして予選のポールポジションで獲得できる3ptも重要な意味を持った。3位のキャシディが優勝し、ヴェアラインが3位になった場合、この2人は同ポイントになるのでポールの3ptは3人とも欲しいポイントになる。
予選
グループ予選A組ではキャシディとヴェアラインが走行し、トップ通過はキャシディ。2番手にヴェアラインで、続いて、バード、フラインスの順で、トップ2人は順当にデュエルスに進んだ。
グループB予選ではエバンスが走り、トップ通過はギュンターだったが、エバンスも2位通過をしており、ここも順当。以下、ヴァンドーン、ヴェルニューという順だ。
デュエルスではここも順当にQFをヴェアライン、エバンス、キャシディが勝ち上がり、セミ・ファイナルに進出。しかし、B組トップ通過しているギュンターは後半戦調子を上げ、このロンドンでも速さを見せているドライバーだ。
そのギュンターがセミ・ファイナルでエバンスを破り、エバンスは3ptの権利を失った。そしてキャシディとヴェアラインの直接対決はキャシディが勝ち上がり、キャシディとギュンターのデュエルス決勝となり、キャシディが欲しかった3ptを獲得した。
予選の結果はキャシディ、ギュンター、エバンス、ヴェアラインがトップ4で、チャンピオン争いをする3人が一塊になっての決勝レースを迎えた。
決勝
決勝ではスタート直後にエバンスがギュンターに並び、2コーナーで前にでて、早くもジャガーのワンツー体制を作った。しかし、このキャシディとエバンスはどちらもチャンピオンの可能性を持っているだけにチームオーダーが難しいところ。4番手にヴェアラインがつけ、タイミングをみる展開となった。
7周目にバードとダルバラが接触しSCが入った。10周目にリスタートし、17周目にはローランドが9位スタートから5位に浮上している。このローランドも速さが光り、チャンピオン争いの順位に影響を持ちそうな1人だ。
途中アタックモードではジャガーのワンツー体制からのチーム作戦でヴェアラインを抑え込むことが可能だったはずが、どうも様子がおかしく、キャシディが2位で戻るはずが1位で戻る展開になり、エバンスがアタックモードに入るタイミングがなくった状況に変化。ヴェアラインはエバンスにテールツーノーズで接近しているため、エバンスは逃げるしかない。
2回目のアタックモードをキャシディは早々と使い切り、順位を下げトップのエバンスとヴェアラインの争いを後方から見る展開になった。しかし、そのキャシディに後方からダ・コスタが追突するアクシデントを起こし、キャシディは敢えなくチャンピオン争いから脱落してしまうのだ。
ダ・コスタはチャンピオンシップに関係しないが、ポルシェのチームランキングにはポイントが必要で、一つでも上位にいる必要があったためだ。
そしてエバンスとヴェアラインはランデブー状況になり、エネルギーマネージメントでラップタイムを落とし、十分な残量となったところでスピードレースに持ち込む展開になった。
だが、キャシディとダ・コスタの接触でSCが入り、そのタイミングでローランドがトップに浮上している。
しかしローランドはそのままトップを維持し、エバンスとヴェアラインがアタックモードを使い切る必要があり、残りの周回数から計算するとアクティベートゾーンへ飛び込む必要があった。
2台同時に飛び込んだが、エバンスが空振りをしてしまい、ヴェアラインが前に出る。この時点でエバンスのチャンピオンは消えたことになる。結果的にエバンスはアタックモードを使い切る為にチャンピオンを捨ててランキング2位を取る作戦に切り替える必要となった。
レースはそのままローランドがトップチェッカーとなり、ヴェアライン、エバンスの順でゴール。
チャンピオンはヴェアラインの199pt、エバンス192pt、キャシディ176ptでシーズンの幕を閉じた。
シリーズチャンピオン
position | Driver | Team | Point |
1 | パスカル・ヴェアライン | TAG HEUER PORSCHE FORMULA E TEAM | 198 |
2 | ミッチ・エバンス | JAGUAR TCS RACING | 192 |
3 | ニック・キャシディ | JAGUAR TCS RACING | 176 |
4 | オリバー・ローランド | NISSAN FORMULA E TEAM | 156 |
5 | ジャン・エリック・ヴェルニュー | DS PENSKE | 139 |
6 | アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ | TAG HEUER PORSCHE FORMULA E TEAM | 134 |
7 | ジェイク・デニス | ANDRETTI FORMULA E | 122 |
8 | マキシミリアン・ギュンター | MASERATI MSG RACING | 73 |
9 | ロビン・フラインス | ENVISION RACING | 66 |
Team Points
position | TEAM | Pts |
1 | JAGUAR TCS RACING | 368 |
2 | TAG HEUER PORSCHE FORMULA E TEAM | 332 |
3 | DS PENSKE | 200 |
4 | NISSAN FORMULA E TEAM | 182 |
5 | ANDRETTI FORMULA E | 169 |
6 | ENVISION RACING | 121 |
7 | NEOM MCLAREN FORMULA E TEAM | 101 |
8 | MASERATI MSG RACING | 81 |
9 | ABT CUPRA FORMULA E TEAM | 56 |
10 | MAHINDRA RACING | 47 |
11 | ERT FORMULA E TEAM | 23 |
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