日産は、ABB FIA フォーミュラ E 世界選手権シーズン9で、新たにノーマン ナトーとサッシャ フェネストラズをドライバーとして 起用すると発表した。
ナトーはフランス出身の 30 歳で、ジュニア時代にはフォーミュラ・ルノー3.5シリーズ、GP2シリ ーズ、FIAフォーミュラ2で優勝し、2020年のル・マン2時間レースでは総合2位となるなどの活躍がある。
2022年はFIA世界耐久選手権に参戦していたが、フォーミュラEシーズン7の最終戦ではロキット・ヴェンチューリからメルセデスEQのパワートレインで優勝している。そしてシーズン9より日産チームのドライバーとしてフォーミュラEにフル参戦する。
サッシャ・フェネストラズはフランス出身の23歳で、2019 年に全日本F3選手権のタイトルを獲得。今シーズンは国内でスーパーフォーミュラとSUPER GTシリーズGT500クラスに37号車キーパートムス・スープラで参戦し、両シリーズで勝利を収めている。
また、フォーミュラEシーズン8の最終戦では、ジャガーTCSのリザーブ・ドライバーとして契約をしていたが、ペンスキー・ドラゴンレーシンのジョビナッチが怪我を負い、急遽代役でフォーミュラEデビューをするハプニングがあった。フェネストラズもシーズン9からナトーとともに、日産チームでフォーミュラEにフル参戦する。
日産フォーミュラEのゼネラルマネージャーであり、日産e.damsフォーミュラEチームのマネー ジングダイレクターであるトマソ ヴォルペは、次のように語っている。
「Gen3マシン時代の幕開けにあたり、ノーマンとサッシャをドライバーとして迎え、とても嬉しく思っています。日産は今年初めにe.dams を買収し、マクラーレン・レーシングとのパートナーシップも発表しました。シーズン9は日産フォーミュラEチームにとっても新しい時代の幕開けとなります。今のチームにとって、豊かな経験と新たな才能の組み合わせは、最適なバランスであると信じています」
「ノーマンは豊富な経験とスキルを持ち、フォーミュラEや他のシリーズで、その高い才能を証明してきました。また、サッシャは過去数年にわたって高いパフォーマンスを発揮しており、大きなポ テンシャルを持つ彼をチームに迎え入れるのは、今が最適なタイミングだと思っています。両ドライ バーはお互いを補完しあい、チームにとっても非常に大きな戦力になると確信しています。新しい日産のGen3マシンをドライブし、サーキットで活躍するのを見るのが待ち遠しいです」
「同時に、セバスチャン ブエミとマキシミリアン ギュンターに対しては、その努力と献身に感謝の意を表したいと思います。特にブエミは、e.damsに8シーズン在籍し、そのうち4シーズンは日産チームに所属していました。彼の偉大な成績、忍耐力、熱意は、今後も私たちの一部であり続けるでしょう。ギュンターとブエミがチームの一員であったことは、私たちにとって大きな誇りです。今後の彼らの成功を祈ります」
シーズン9は、日産にとって5シーズン目のフォーミュラE参戦となる。そして、従来よりも小型化、軽量化され、最高出力は350kW(Gen2マシン250kW)、最高 速度は320km/hオーバーとなるGen3マシンは、フォーミュラEのレース展開をより速く、より俊敏なものへと変えていく。
ドライバーコメント
・ノーマン ナトー
「日産ドライバーとしてフォーミュラEにフル参戦できることを大変うれしく思っています。Gen3マシンとともに始まる新たな章に向け、テストの準備をし、マシンを走らせることを楽しみにしてい ます。チームとともに学ぶべきこと、開発すべきことがたくさんありますし、シーズン9の初戦となるメキシコ大会をベストの状態で戦えるよう準備していきます」
・サッシャ フェネストラズ
「夢のような話です。初めて世界選手権に進出し、世界のトップドライバーたちと高いレベルで戦えることは、私のキャリアにとって大きな一歩になるでしょう。また、私にとってEVで戦う初めてのレースとなるため、これまでとは違ったチャレンジになると思います。ストリートサーキットは大好きですが、リスクが高く、ミスが許されません。ルーキーとして、やるべきことも学ぶべきこともたくさんあります。このような機会を与えてくれた日産にとても感謝しています。レースが待ちきれま せん。最高のパフォーマンスが発揮できるよう全力を尽くします」