2014年1月20日、トヨタは「ノア」「ヴォクシー」をフルモデルチェンジし、ヴォクシーは全国のネッツ店、ノアは全国のトヨタカローラ店を通じて、同日から発売を開始した。トヨタとしてはこのクラス初のハイブリッド(THS-Ⅱ)を搭載したモデルを設定。燃費は23.8km/Lを達成し、5ナンバー・ミニバンの王座奪取を目指している。
新型ノア/ヴォクシーは、若い子育てファミリー層をターゲットに広々とした室内空間を実現し、Fun(快適性)、Utility(使用性)、Nenpi(燃費)を実現するため「Spacious FUN Box」をキーワードに開発した、次世代のスペースミニバンだ。5ナンバーサイズの寸法の中で、「EMOTIONAL BOX」をデザインコンセプトに、存在感を備えた力強いハコ(箱)を追求したデザインとし、個性的なフロントマスクにより、ヴォクシーは“毒気”のあるカッコよさを、ノアはミニバンの王道をいく“堂々感”を表現している。
新開発の低床フラットフロア、超扁平燃料タンクを活かしたパッケージを採用することで、クラストップレベルの室内スペースやノンステップによる子供・高齢者にも優しい乗降性、使い勝手の良い荷室を実現している。またミニバンならではの、自転車の積載、ベビーカーの積載、室内での子供の着替えなどに対応し、サンシェードなども装備している。
またクラス初の本格ハイブリッドシステム(リダクション機構付のTHS-Ⅱ)搭載モデルを設定し、このクラスで圧倒的なJC08モード燃費23.8km/Lを実現。ガソリン車もトップレベルの変速比幅(6.45)を実現した新開発Super CVT-iやアイドリングストップ機能などの採用で、このクラスのガソリン車トップの低燃費(アイドリングストップ機能付2WD車でJC08モード燃費16.0km/L)を達成している。
ハイブリッドシステムは、1.8Lアトキンソンサイクル・エンジンを使用するプリウス用ユニットを流用。大きな積載荷重を考慮しスロットルのマッピングを専用チューニングしている。なお、エンジンルームはインバーターをプリウスの横置きから縦置きに変更するなど5ナンバーボディに対応したレイアウトを採用。ニッケル水素電池は、フロントシート下側にレイアウトしている。このため、ハイブリッド車はウォークスルーの時にはこのバッテリーを跨ぐ形になる。
ガソリンエンジン車は、2.0Lの3ZR-FE型バルブマチック/マニホールド噴射式エンジンを搭載。152ps/193Nmを発生する。変速比幅を6.45にまで拡大したスーパーCVT-iと組み合わせる。このCVTは7速シーケンシャルシフトも備えている。
また7人乗り車のセカンドシートに、横スライド機構とワンタッチスペースアップサードシートの組み合わせで超ロングスライド(スライド量:810mm)を実現したこのクラス初のキャプテンシートを始め、駐車枠を自動認識して駐車支援するインテリジェントパーキングアシスト(イージーセット機能付)、バックカメラの視野角を約180度まで拡大した広角カラーバックガイドモニター、ワンタッチスイッチ付パワースライドドア(デュアルイージークローザー付)、携帯電話、スマートフォンのための「おくだけ充電」など充実した装備を採用。
福祉仕様のウェルキャブは、車いす仕様車に手動スロープ前倒れ機能を装備するなど大幅な商品改良を行なうとともに、運転席への移乗と車いすの収納を支援するフレンドマチック取付用専用車「ウェルライド」を新設定するなど、ウェルキャブのラインアップを充実させている。
しかしながら今回のモデルチェンジでもドライバー支援システムの採用がない点は、物足りないといわざるをえないだろう。
■ノア/ヴォクシー価格表