トヨタ GRヤリスを改良 6速AT搭載やエアロパフォーマンス・パッケージを発表

トヨタGAZOOレーシングは2025年4月11日、改良したGRヤリスを発売した。また東京オートサロン2025でコンセプトモデルを披露し、モータースポーツで得た知見を織り込んだメーカーオプション「エアロパフォーマンスパッケージ」を同時に発表した。このパッケージは秋以降の発売を予定している。

モータースポーツ用のベース車であるGRヤリスは、より性能を向上させるために改良を加えている。今回の改良モデルでは、6速AT「GR-DAT」を採用している。「GR-DAT」は2024年モデルから登場しているが、今回は主にソフトウエアでスポーツ走行時のギヤ段の選択制御に細かな改良を加えることで、性能のレベルアップを図っている。

Dレンジで走行中のパドル操作で、ダウンシフト可能な車速領域を拡張(2速→1速)し、パドル操作から変速開始までの時間を短縮。さらにマニュアルモードではスポーツモード選択時、レッドゾーン付近でのダイレクト感を向上。スポーツ走行時の応答性を高めている。また、AT車のフットレストの面積を拡大している。

そしてエンジン回転数の上昇が遅くなる登坂勾配では、シフトアップタイミングを少し遅らせることでシフトアップ後もより高出力を維持できるようにしている。

シャシーでは、シャシー構成部品の締結ボルトの一部に、締結剛性の高い特別なボルトを採用し、締め付けトルクもアップ。結合剛性を高めることでステアリング操作に対する応答性と直進安定性を向上し、クルマとの一体感を向上させている。

サスペンションでは、ダンパーの減衰力を熟成することで、コントロール性と乗り心地の両立を図っている。またパワーステアリングのソフトウエアをチューニングし、リニア感(ステアリングを切った量に対し、1:1で操舵感が得られる感覚)の向上を目指している。

このチューニングはグレードごとに異なり、RZ“High performance”用はサーキット走行を前提に、限界域でのクイックさとコントロール性を追求。RZ用は、ワインディングからサーキットまで、幅広いシーンで俊敏さを追求している。

パーキングブレーキは、2024年発表のGRヤリスから、縦引きパーキングブレーキをメーカーオプションとしてRCグレードに設定していたが、今回から全グレードで選択可能にしている。

また、RCグレードにメーカーオプション設定としていたトヨタ・セーフティセンスを、RZ“High performance”、RZと同様に全車標準装備としている。

価格

メーカーオプション「エアロパフォーマンスパッケージ」

GRヤリスのRZ“High performance”、RCに冷却性能と空力性能をさらに向上させるためのオプション・パッケージだ。

アルミ製ボンネットに冷却ダクト付きを設定。高速走行中、エンジンルーム内の熱気をダクトから放出し、冷却効果を向上させる。

フロント・リップスポイラーは、フロントリフトの発生を抑え、接地感と空力バランスを高め、車両のトータルリフトバランスを向上させている。また、ホイールハウス内の空気を後方へ放出させるフェンダーダクトを設定。そしてノーズダイブ時のステアリングフィールや、コーナー入り口での操縦安定性を向上させる役割を果たす。

フロア面では、燃料タンクアンダーカバーを設定。燃料タンクの下部をフラット形状にするカバーで、。ボディ下部の空気の流れを最適化し、空力性能を高める。

そしてリヤには大型のリヤウイングを設定。高速域での操縦安定性に寄与し、またブレーキング時の安定性を向上させる。可変式のため、サーキットなどの走行シーンに応じてウイングの角度を変更することが可能だ。

リヤでは、リヤバンパーダクトを設定。リヤバンパーの空力的な抵抗を低減させる効果を持っている。

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