トヨタGAZOOレーシングは2022年1月14日、東京オートサロン2022で「GRMNヤリス」を初公開した。このスペシャルチューニングモデルは500台限定販売で、今年夏頃に全国のGRガレージで発売を予定している。
GRMNヤリスの「GRMN」は、GRマイスターオofニュルブルクリンクの意味で、その名称通りプロドライバーも開発に参加し熟成したGRヤリスのフルチューンモデルだ。また、「GRMNヤリス」の発売と合わせ、カスタマイズパーツの追加など、新たなプログラムも実施されることになっている。
GRMNヤリスの開発は、「モータースポーツの現場でスピーディに、かつ人に合わせて進化するクルマをお客様にもお届けしたい」というモリゾウの思いから始まったという。
モータースポーツ参戦での経験を生かし、ボディ剛性強化や約20kgの軽量化、車高10mmダウンによる低重心化、全幅10mm拡大による空力改善を実現したほか、性能向上させた機械式LSDやクロスギアレシオ トランスミッションとローファイナルギヤのセットを採用。また、プロドライバーによる走り込みによって制動力やグリップ、コーナリング性や追従性も向上させ、より安心してより速く走れるクルマへと進化させている。
ギアレシオはエンジンパワーバンドを効率的に使用できるよう1速~4速をクロスレシオ化し、駆動力を最適化したローファイナルギヤを組み合わせている。また、耐久レースなどでの信頼性向上のため、1、3、4、5速とファイナルギヤにSNCM材の採用、およびショット処理を追加し、耐トルク強度と疲労強度を大幅に向上させている。
ボディでは軽量高剛性なカーボン(綾織CFRP)をボンネット、ルーフ、リヤスポイラーなどに採用したことに加え、リヤシートを撤去し乗車定員を2名としたことにより、約20kgの軽量化をしている。
エンジンは、最高出力が標準モデルと同じ272psだが、最大トルクは20Nmアップの390Nmとなっている。
またボディの骨格部の接合点などにスポット溶接打点数を545点増やし、構造用接着材を標準モデルより12m長く塗布することでボディ剛性を強化。ドライバーの操作によりダイレクトに応答するようになっている。
なお製造は、GRヤリス同様に元町工場の専用工房を使用し、高い技能をの従業員が組み立てを担当する。
そしてGRMNヤリスの発売と合わせ、「アップデートプログラム」と「パーソナライズプログラム」のふたつのサービスを展開し、「アップデートプログラム」はレースごとのタイムリーなクルマの改良・進化を行ない、「パーソナライズプログラム」はドライバーに合わせたカスタマイズで、レース車両と同様に、終わりのないクルマの進化をGRMNヤリスで楽しむことができるようにしている。
具体的には「アップデートプログラム」は、モータースポーツの現場からフィードバックされたパーツの追加やソフトウェアアップデート、エンジン強化や駆動制御の改善などを予定しており、GRガレージで提供される。
「パーソナライズプログラム」は、ユーザーの運転データを分析し、一人ひとりに合わせたカスタマイズを実施するシステムだ。ステアリング制御、エンジン制御、駆動配分といったソフトウェアに加え、ダンパー減衰力、バネレート、空力パーツといったハードウェアを細かく最適化することを予定している。
運転データの収集は指定のスクールや走行会場で行ない、カスタマイズ作業はGRガレージで実施される。
GRMNヤリスは、1月14日からTGR WEBサイトで予約抽選の受付を開始し、夏頃に全国のGRガレージで発売される。ベースグレードのほかに、スーパー耐久シリーズ参戦からフィードバックを受け、ロード性能を突き詰め、特別なボディ色の「マットスティール」に塗られたサーキットパッケージも設定。限定50台で販売予定だ。
またベースグレードに追加可能な販売店装着オプションとして、全日本ラリー選手権参戦からフィードバックを受け、あらゆる路面での走破性を高めるパーツを集めたパッケージも用意されている。
WEB抽選URL:https://toyotagazooracing.com/jp/form/grmnyaris_agreement/