日本国内で9月頃に発売する新型スポーツモデル「GRヤリス」のラインアップを発表しました。今回の発表は、GRヤリスのラインアップモデルと主要諸元が公表されました。ラインアップは、1.6L 3気筒直噴ターボ/6速MT/4WDの「RZ」、競技用ベースモデルで装備を省略した「RC」、そして、標準ヤリスと共通の1.5L 3気筒直噴自然吸気エンジンとダイレクトシフトCVTを組み合わせたFF駆動の「RS」という3車種です。
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GRヤリス RZ
「RZ」には新開発された小型軽量で272ps/370Nmという高出力1.6L直列3気筒直噴ターボエンジンを搭載。駆動システムは電子制御油圧多板クラッチによる前後駆動力可変システムのスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」です。
トランスミッションは6速MT(iMT)のみの設定。そしてハイパフォーマンス仕様としてBBS製の鍛造アルミホイール、タイヤはミシュラン製 パイロットスポーツ4S(225/40R18)、前後デフにはトルセンLSDを設定し、本格的なスポーツモデルという位置づけになっています。動力性能は0-100km/h加速が5.2秒、最高速度は230km/hです。
GRヤリス RCを全日本ラリーに出場したら・・・
競技用ベース車「RC」は、パワートレーン、駆動システムなどは「RZ」と全く共通ですが、レース、ラリー、ジムカーナなど様々な競技用のベース車両です。そのため、「RZ」と比べて快適装備を省略し、約30kg軽量に仕上げられています。
競技に出場する場合は、この「RC」をベースに競技用のパーツを取り付けて出場します。
GRヤリスはもともとは世界ラリー選手権(WRC)のためのホモロゲーション(FIA公認取得用)モデルですが、全日本ラリーへエントリーした場合、ターボ係数1.7をかけて2.7Lクラスとなり、国内最高クラスのJN1クラスにカテゴライズされ、スバル WRX STI、三菱 ランサーエボリューションと戦うことになります。
GRヤリス RSは全日本ラリーを想定
「RS」は、「RZ」、「RC」とは違って搭載するエンジンは標準ヤリスと同じ自然吸気の1.5L 3気筒直噴(M15A-FKS)エンジンです。トランスミッションはダイレクトシフトCVTと組み合わせたFFモデルです。
つまりGRヤリス専用のボディに、120ps/145Nmのレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンとダイレクトシフトCVTという奇妙な取り合わせになっていますが、実はこのモデルは全日本ラリーのクラス分けでメーカーラインオフ時の諸元を保つ(RPN車両用改造規定内の改造は可)「RPN車両」で、なおかつ2ペダル/ハイブリッド/EVモデルで戦われる「JN6」クラスへの参戦を想定しているのです。
GAZOOレーシングは以前からヴィッツのCVTモデル(ただしスポーツ走行専用プログラムを採用)で全日本ラリーに出場しており、GRヤリスRSもこのダイレクトシフトCVTのラリーチューニングにより、JN6クラスを席巻し、あわよくばMTを搭載するJN5クラスを破ろうという構想です。