トヨタ 4WDスポーツモデル「GRヤリス」発表 先行予約を開始

トヨタは2020年1月10日、東京オートサロン2020でFIA世界ラリー選手権(WRC)に参戦するために開発されたホモロゲーション・モデルの新型車「GRヤリス」を世界初公開した。

東京オートサロン2020で、GRヤリスを発表したGAZOOレーシング・カンパニーの友山茂樹プレジデントと、サプライズ登場した豊田章男社長
東京オートサロン2020で、GRヤリスを発表したGAZOOレーシング・カンパニーの友山茂樹プレジデントと、サプライズ登場した豊田章男社長

WRC用のホモロゲーション・モデル

現在のWRCに出場する競技車両は12カ月間に2500台以上、ベース車種全体で2万5000台以上という生産台数が求められる。そのため2020年シーズンのWRCに出場するGRヤリスは、FIAの公認を得るためのモデル、つまりホモロゲーション・モデルであり、2500台以上が生産されることになっている。

トヨタ 4WDスポーツモデル「GRヤリス」発表 先行予約を開始

またGRヤリスは、WRCでの戦闘力を高めるために、ベース車両の段階からWRCでの要求を盛り込んで造るという、トヨタにとっては異例のスポーツモデルとなっている。歴史的に見てもかつてのセリカGT-4以来の、トヨタが独自で開発した4WDスポーツ・モデルでもある。そしてGRの名称を冠したスポーツモデルとしては、GRスープラに続く第2弾となる。

トヨタ 4WDスポーツモデル「GRヤリス」発表 先行予約を開始

そしてGRモデルの第3弾として計画されているのは、2020/2021年シーズンから開始される世界耐久選手権(WEC)用のハイパーカー(超高性能ハイブリッド・スポーツカー)「GR スーパースポーツ」だ。ル・マン24時間レースにも出場するこの1000ps級のスポーツカーはドイツのトヨタ・モータースポーツ(TMG)で開発され、すでにテスト走行を繰り返している。

トヨタ 4WDスポーツモデル「GRヤリス」発表 先行予約を開始

超ワイドボディの4WD

GRヤリスは、市販ヤリスとは異なり3ドア・ボディで、超ワイドトレッドのスペック。そのためボディ全幅は1805mmとワイドボディになっている。それでいて全長は3990mmと短いので、これまでにはない存在感のあるボディフォルムとなっている。

すでにGRヤリスをベースにしたWRC用の競技マシンもテスト中
すでにGRヤリスをベースにしたWRC用の競技マシンもテスト中

また駆動方式はフロント横置きエンジンのフルタイム4WDとしている。搭載エンジンはWRCの「ワールドラリーカー規則」により1.6Lのターボエンジンを搭載。そのため、新型GRヤリスは「G16E-GTS」型3気筒エンジンを新開発して搭載した。

トヨタ 4WDスポーツモデル「GRヤリス」発表 先行予約を開始
トヨタ 4WDスポーツモデル「GRヤリス」発表 先行予約を開始

ベースのヤリスは1.5L・3気筒エンジン「M15A-FKS型」を搭載しているが、それとは別にWRC用に新規開発されたエンジンで、直噴ターボを装着している。出力は272ps/370Nmで、リッター当たり出力は170ps/Lだ。WRCではエアリストリクター付きながら380psレベルまでチューニングされる。

トランスミッションは6速iMTが採用されている。もちろんWRCではシーケンシャル式の競技用トランスミッションに変更される。

駆動方式はフルタイム4WDで、フロントの横置きトランスファーから後輪駆動用プロペラシャフトを経てリヤデフに接続される。そしてセンターデフは電子制御多板クラッチ式を採用。この多板クラッチの圧着力制御は3モードが選択できる。モードは「ノーマル」、「スポーツ」、「トラック」だ。

ある意味でオーソドックスなこのフルタイム4WDシステムは、スポーツ4WDシステム「GR-FOUR」と名付けられている。上級モデルには前後のデファレンシャルにトルセン式LSDが組み込まれている。

4WDシステムは横置きエンジン用としてはオーソドックス
4WDシステムは横置きエンジン用としてはオーソドックス

ボディはTNGA-Bをベースに、サスペンションはフロントがストラット式、リヤは専用のダブルウイッシュボーン式を採用。そのためリヤアクスルは、デフの容量も含めベース車のヤリス4WDとも違っている。

アッパーボディは、ボンネット、リヤゲート、ドアパネルがアルミ製、ルーフはSMCカーボンを採用するなど、軽量ボディとしている。なお車両重量は1280kgと発表されている。

新型GRヤリスは、トヨタの元町工場内のGRファクトリーで少量生産される。ここは、ベルトコンベアなしの専用組み立て部門で、熟練の技能員がハンドメイドも駆使しながら車両組立を行なうようになっている。

元町GRファクトリーのイメージ図
元町GRファクトリーのイメージ図

先行予約を開始

新型GRヤリスは2020年夏頃からの販売開始を見込んでいるが、正式販売に先立ち、特別仕様車「RZファーストエディション」と、特別仕様車「RZ ハイパフォーマンス ファーストエディション」を設定。

「RZファーストエディション」はRZグレードをベースに、マットブラック塗装を施したラジエーターグリル、フロントサイドディフューザー、リヤスポイラー、リヤバンパーを特別装備。

シートは3種類のスポーツシートを設定。写真はプレミアム・スポーツシート
シートは3種類のスポーツシートを設定。写真はプレミアム・スポーツシート

「RZハイパフォーマンス ファーストエディション」は、さらに前後トルセンLSD、ウォータースプレー機能付空冷インタークーラー、BBS製鍛造アルミホイールを特別装備している。

GRヤリスRZハイパフォーマンス ファーストエディション
GRヤリスRZハイパフォーマンス ファーストエディション

この特別仕様車の先行予約の受付は1月10日10:00から6月30日までの約6ヶ月間、Web限定で開始。なお、先行予約には申込金が必要だ。

【RZ ハイパフォーマンス ファーストエディション主要諸元】

  • 全長 × 全幅 × 全高:3,995mm × 1,805mm × 1,460mm
  • ホイールベース:2,558mm
  • 車両重量:1,280kg
  • 乗車定員:4人
  • エンジン:直列3気筒DOHC直噴ターボチャージャー
     型式:G16E-GTS
     排気量:1,618cc
     最高出力:200kW(272PS)
     最大トルク:370N・m(37.7kgf・m)
  • トランスミッション:iMT(6速マニュアルトランスミッション)
     駆動方式:4WD
     差動装置:
      スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”
      トルセン®LSD×2(フロント、リヤ) +
      電子制御多板クラッチセンターデファレンシャル/
      4WDモードダイヤルスイッチ(NORMAL/SPORT/TRACK)
  • サスペンション:フロント マクファーソンストラット式/リヤ ダブルウィッシュボーン式
  • ブレーキ:フロント ベンチレーテッドディスク/リヤ ベンチレーテッドディスク
  • タイヤ:フロント 225/40ZR18/リヤ 225/40ZR18

【価格】

  • RZ ファーストエディション:396万円(税込み)
  • RZ ハイパフォーマンス ファーストエディション:456万円

先行予約WEBサイト

Twitter:https://twitter.com/autoprovenet
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Youtube:https://www.youtube.com/user/autoprove/

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