【ホンダ】 JADEジェイド誕生 3列シート&ハイブリッドが必須のニーズに応えた立駐に入るミニバン

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ホンダの新型スポーティミニバン、ジェイド。3列シートと立体駐車場入場可能な低い全高でユーティリティに優れる

2015年2月12日、ホンダから3列シートのミニバン「JADE(ジェイド)」がデビューした。ホンダの安全装備ホンダ・センシングを装備し、パワーユニットにハイブリッドを採用したスポーティ・ミニバンだ。

◆ポジショニング
2014年6月に生産終了したストリームの後継モデルというポジションではなく、新たな狙いを持って登場した新型スポーティ・ミニバンだ。上級ミニバンと言われるカテゴリーで約300万台のニーズがあり、ホンダ車ではストリームやオデッセイで85万台のユーザーがいる。とくに新型ジェイドでは、乗用ハッチ系やステーションワゴンユーザーの声に応えるための要素をもった新型なのだ。

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ディメンションとしては背が低く立体駐車場に入る高さであり、燃費が良く、3列シートであるというユーティリティを持たせたのが新型ジェイドだ。走行性能、スタイリング、多人数乗車などを基本性能とし、さらにホンダ・センシングという安全装備を加えることで価値を高め、買い替えユーザーはもとより、ステーションワゴン、セダン、ハッチ系ユーザーを取り込む狙いを持っている。

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具体的なターゲットとしては、若者や子離れ以降のユーザーがメインターゲットとなる。ここでいう若者とは団塊ジュニアからポスト団塊ジュニアに移行しており、向上心をもって自己主張すると言われる世代を狙っている。また、子育てが終わった世代との共通価値観として、自分のライフスタイルに拘りをもって積極的に生活を楽しむ傾向があるという点だ。

したがって、これらの共通項を具体的な製品に反映し、ユーザーに響くモデルとしているというのがジェイドとなる。それは、細かくみると3つの価値観が共通しているという。一つにはプライドというキーワードで、ステップアップ、自立心、経済観念であり、二つ目はスタイルというワードで、自分なりの個性、先進的なものを求める。自己表現というキーワードだ。そして三つ目はアクティブというワードで、多様なライフスタイル、レジャー、幸福な生活である。という分析をしている。

これらの特徴に合わせ、「プライド」には、上質な走行性能、環境性能、ワンランク上の質感をジェイドに反映。「スタイル」には、エモーショナルでかっこいいデザイン。ただし先進性は必要不可欠。そして「アクティブ」においては、フレキシブルな居住空間、多様なライフスタイルに対応させる。これらすべてを高次元でバランスさせることによって、マルチなサプライジング、驚きを提供するとした。

◆デザイン&パッケージ
では具体的にみてみよう。エクステリアデザインでは、サプライジングというテーマの表現を、爽快でライトなキャビンと剛性感があり、ダイナミックな塊感のあるデザインで驚きを与える。上質感の演出も大切で、ヘッドライトやリヤコンビネーションライトにLEDを全車標準装備としている。

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ヘッドライトやリヤコンビライトにはLEDを全車標準装備して上質感を演出する

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インテリアでは先進的なコックピットと自然で爽快な広々としたキャビンでサプライズを提供したいとしている。情報の表示系統はダッシュアッパーに統合し、操作系はセンターパネルまわりに集中させるレイアウトとしている。

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また、それぞれのシートではテーマを持っており、前席ではドラポジを含め、セダンと同様の空間としている。ミニバンだからという妥協は絶対にしないクルマ造りをしたという。低いベルトライン、大きなウインドウで全方位良好な視界を確保している。

2列目では、最大の特徴、「V字スライドシート」という新機構を採用。リヤのタイヤハウスを避けるようにスライドし、1列目からのディスタンスを現行のアコードにプラス65mmという広大なスペースを作ることができている。そして3列目はフレキシブル空間とし、当然大人が座れるシート&スペースであり、畳めばきっちり床下に収納できるマジックシートを装備した。荷室として使ったときにステーションワゴンと同様に利用できることを目指したものだ。

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2760mmのロングホイールベースで、パッケージの最大の特徴は全高だ。1500mmの全高でアンテナ台座部分で1530mmとなっている。この手のクルマとしては非常に低い全高となっている。また、ハイブリッドに必要なバッテリーを含むユニット類をセンターコンソール内に収納し、室内空間に対して全く影響がない工夫がみられる。

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全高抑えたフォルムがジェイドの特徴のひとつ。そのために薄型センタータンクなどを採用

 

これらのデザイン&パッケージを実現するために使われた技術として、従来からの低床技術をさらに追求し、燃料タンクは世界一薄いタンクを開発している。そのため2ベントシステムとフューエルポンプモジュールも専用に開発している。また3列目に影響のでるサイレンサーまわりも薄くし、単層構造化により従来より-30%扁平化している。

◆性能
これらの技術を駆使しハイブリッドユニットによって、コンセプトは「アーバンコンフォートツーリング」としている。都会の喧騒を忘れさせ、おもてなしの爽快なラウンジであるという。

さらに操安性能では、ミニバンであることを絶対に理由としない開発で、ヨーレートゲインではセダンの領域に到達しているという。また、乗り心地では上級カテゴリーのスムース感を得ているという。サスペンションではフロントをストラット、リヤは専用のダブル・ウイッシュボーンを開発している。

気になる新車 ホンダ ジェイド 005ステアリングは応答性や剛性感をあげるためにホンダでは国内初採用となるデュアルピニオン式のEPSAを採用している。また構造でも、ステアリングハンガーをストレートに通すことによって、高剛性化にしている工夫もある。ボディ剛性では先代オデッセイに対してねじり剛性で20%、曲げ剛性で70%向上しているという。

パワートレーンでは、ヴェゼルで開発したi-DCDで、DCTユニットを持つパワートレーンを採用している。1.5Lの直噴ガソリンエンジンにモーター内蔵のユニットを組み合わせ、JC08モードはクラストップレベルの26.0km/Lを達成している。開発者は走りも燃費も満足できる領域にできたと自負している。

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1.5Lハイブリッドエンジンを搭載する。燃費は26km/L

 

空力では欧州車では当たり前にやっているフロア下のチューニングによって、操安性、燃費に寄与しCd値を向上させているという。また、他にこだわったポイントとして静粛性もある。すべての領域で0.5からワンランク上の静粛性を得ているという。

新型ジェイドは中国市場では2013年秋に東風ホンダからガソリンエンジン車が発売され(中国名:傑徳)ている。また3列目シートの有無に関しても日本ならではのニーズに応えているのだろう。国内では圧倒的にハイブリッド神話が高く、またほとんど使うことのない3列目シートへの乗車も必須と考えるユーザーニーズに応えての採用だろう。つまりマーケットニーズに的確に答えたモデルが新型ジェイドである。

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