2015年1月30日、トヨタは2015年のモータースポーツ活動の概要やサポートの計画を発表した。そして、噂されていた世界ラリー選手権(WRC)への復帰が正式に発表され、出場マシンはヤリス(日本名:ヴィッツ)だ。
■WRC
2017年からのWRC参戦はトヨタ・レーシングとしての参戦で、ワークス体制だ。参戦車両は、ヨーロッパで販売されているヤリスをベースにしたヤリスWRC で、ドイツ・ケルンにあるTMG が車両、エンジンの開発、テストを担当する。トヨタはかつて1973年から1999年までWRCに出場していたが、2017年からの復帰は18年ぶり。
ヤリスWRCに搭載されるのはFIAが規定している1.6Lの直噴ターボエンジン(通称:グローバルレーシングエンジン)で、車両、エンジンともに新開発となる。もちろんすでに2014年から開発テストを実施しており、現在も開発を続行している。動画では豊田章男社長が自らステアリングを握る風景も。ラリーに関心が深い豊田章男社長じきじきのプロジェクトであることがわかる。
■WEC
トヨタ・レーシングは世界耐久選手権(WEC)はディフェンディング・チャンピオンとして出場する。参戦4年目の2015年は、さらにTHS-Rに磨きをかけ、年間タイトルの連覇と、念願の第3戦ル・マン24時間レース(6月13日日~14日)での初優勝を目指す。マシンは従来の減速エネルギー回生のみの「TS040 HYBRID」を改良し、2カー体制で臨む。ドライバーは、2014年シーズンにドライバーズチャンピオンを獲得したA.デビッドソン、S.ブエミ組に中嶋一貴を加えて1号車、2号車はA.ブルツ、S.サラザン、M.コンウェイ組。
アメリカでのNASCARはこれまで通り、アメリカ・トヨタからの参戦。ダカール・ラリーはトヨタ車体チームを支援するのもこれまで通りだ。
■国内レース
スーパーフォーミュラ選手権には2.0Lの直噴ターボエンジン(NRE)を供給する。供給台数は10台。またスーパーGT選手権はレクサス・レーシングの活動と位置付けられ、6台に供給。マシンはTRDが開発を担当する。
またレクサス・レーシングとしては、新開発のRC-F GT3マシンを発売し、グローバルに供給する。2015年は日本とヨーロッパで合計3台がレース活動を行なう予定で。国内ではスーパーGT300クラスにRC F GT3で参戦するという。なおレクサス・レーシングはロゴマークを変更し、「F」を強調した新ロゴマークを採用する。
■GAZOOレーシング
GAZOOレーシングとしての取り組みのメインとなるニュルブルクリンク24時間耐久レースは、2015年はLFA-コードX、RC-Fという2台での参戦となった。
またワンメイクレースの86/BRZレース、ヴィッツ・レースのレース日程を発表。盛況の86/BRZレースは全8戦が開催される。
GAZOOレーシングの一般ユーザー向け企画としては、クルマの「走る」、「曲がる」、「止まる」の基本操作をより深く理解し、サーキット走行を身近に体感できるよう、初心者でも安全にクルマを楽しめるプログラムを年間を通じて行なう。2015年は「サーキットを走ろう!」シリーズを全国各地で13回開催する以外に、東京お台場にあるメガウェブなど、より身近な場所で、フルブレーキやスラローム走行などを体験できるプログラムも開催する。また、スポーツ走行の更なる上達や、86/BRZ Raceなどへの参戦を目指すドライバーのためのステップアッププログラムとして、「スポーツドライビングレッスン」も、全国のサーキットで8回開催する。