【トヨタ】カローラ試乗記 1.3Lと1.8Lには驚くほどの違いがあった

マニアック評価vol115
マイルドな操作感、ソフトな乗り心地の1.3L

新型カローラ・アクシオの画像
試乗したカローラ・アクシオ 1.3G

トヨタ・カローラがフルモデルチェンジを行った。11代目となる新型カローラは、1.3L、1.5L、1.8Lという3種類のエンジンを持ち、国内専用モデルとしてデビューした。今回は1.5Lを除く1.3Lと1.8Lを試乗してきた。

新型カローラ・アクシオのメーター画像新型カローラ・アクシオの画像新型カローラ・アクシオのコクピット画像

最初に試乗したのはカローラアクシオ1.3LのGエディション。もっとも装備が簡素化されたビジネスパッケージで、ラインアップ全体からみればボトムに位置するモデルだ。運転席に座った第一印象は、安っぽさがない、広い、という印象。無用に広くするためのキャビンフォワードもなく、ちょうどいい感じだった。

シートはファブリックで、座り心地はソフト。長時間の移動が主眼ではなく、日常的な30km以内の移動を想定しているのだろう。ならばドイツ車のようなしっかりした座り心地より、新型カローラのようにソフトなほうが好ましい。

新型カローラ・アクシオの画像
斜め前方視界は大幅に改善。樹脂に布地を巻きつけたトリムは質感の向上に貢献している

動き出しは軽やか。ハンドルは軽く好印象。年配女性でも難なくとりまわしができる。ただ、速度域が上がってきても操舵感は軽く、ダイレクト感がない。当然インフォメーションは少ない。また、交差点を曲がるときなどのセルフアライニングトルクも少ないのが気になる。

ステアリングのレスポンスが鈍い設定のため、真っ直ぐ走らない。修正舵の必要性を常に感じる。ステアしてからノーズが動き出すまでにタイムラグがあるようなフィーリングは、昭和のクルマで数多く経験してきたものと同じだ。

車庫入れのときなどは軽くてもいいが、速度によってはダイレクト感、ステアリングインフォメーションがもう少しあったほうが好ましいと思う。電動アシストの制御範囲で調整可能なことであるから、当然、トヨタ社内でも意見は出たであろう。しかし、最終的なセッティングがこの「軽め」で落ち着いているのだから、それなりの理由があると思う。

乗り心地はソフトで、いい意味でフワッとしている。装着タイヤも175/70-14というサイズなので、ゴツゴツ感とは無縁だ。インプレッションこそ取れていないが、リヤシートの乗り心地も期待してもいいのではないか。あえてダイレクト感を削って、ゆったりとした操舵に仕上げ、タイヤも乗り心地のマイルドな仕様なのだから、リヤシートだけゴツゴツ感じるというのは考えにくいというのが理由だ。

ダイレクト感のあるスポーティなテイストの1.8Lモデル

新型カローラ・フィールダーの画像
1.8Lエンジンを搭載したカローラ・フィールダーのトップグレード

新型カローラの1.8Lモデルにも試乗したが、こちらはハンドルはやや重く、ちょうどいいフィーリングだ。CVTも新型に変更され、スーパーCVTiという名称に変更。1.3Lモデルに搭載しているCVTとは別のユニットになる。このスーパーCVTiには、スポーツモードが設定されている。それだけ、1.8Lモデルには運転の楽しみも期待していいセッティングということだ。

実際、スポーツモードは軽快にレスポンスし、ダウンシフトもする。試乗コースは東京・台場の臨海副都心周辺であり、アップダウンやコーナーと呼べるようなシチュエーションはないのでハッキリとはわからなかったが、減速したときにエンジンの回転を高回転で維持し、コーナー脱出のときすぐにパワーバンドに飛び込むように設定されているようだ。

新型カローラのトランスミッション画像新型カローラのトランスミッション画像

↑細部の改良でリニアな発進加速が実現したスーパーCVTi

そのため、ハンドリングも1.3Lとは異なり、ダイレクト感があるセッティングだ。今度は逆に車庫入れなどでは、もっと軽めの設定でもいいと感じたほどだ。ちなみに、装着タイヤはブリヂストンのB250 ブランドでサイズは185/60-15だった。

インテリアはSグレードが好印象だった。質感が高いというか、好印象となるようなうまい処理をしていると表現したほうが適切かもしれない。グローボックスやサイドドアパネルの樹脂部分にクロスが張られ、安っぽさがないのだ。ステアリングもレザータッチ、ダッシュボードにはシボ加工が施してあり、クラス相応の仕上がりと言っていい。

1.3Lと1.8Lを乗り比べると、明らかにターゲットユーザーが異なり、細かなセッティングも違っていることが分かる。今回中心となる1.5Lモデルは発売が6月になることから、試乗できなかったが、どんな仕上がりなのか興味深い。
マニアック評価vol115

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カローラ・アクシオ/フィールダー主要諸元

新型カローラの価格表画像

トヨタ公式サイト

COTY
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