トヨタは2011年10月14日、2012年シーズンからFIA(国際自動車連盟)世界耐久選手権 に参戦することを発表した。その中には、トヨタが1999年まで挑戦を続けていたル・マン24時間レースも含まれている。最大の注目はディーゼルパワーが圧倒的優位の中、トヨタはハイブリッドで参戦すると明らかにしたことだ。
2004年から現在までACO(フランス西部自動車クラブ)がル・マン24時間レースを頂点とするプロトタイプ・スポーツカーやGTカーによる耐久シリーズ戦をヨーロッパ、アメリカ、アジアでル・マンシリーズとして開催してきたが、今年3月にFIAとACOがこのル・マンシリーズをFIA世界耐久選手権として2012年より開催することで合意した。
このため世界選手権として初年度となる2012年シリーズは、ル・マン24時間レースに加え、ヨーロッパ、アメリカ、アジアでシリーズ戦が計画されている。なお2011年のインターコンチネンタル・ル・マンシリーズには、ローラ製のシャシーにトヨタ(TMG)製のRV8K-LM(フォーミュラ日本用の3.4L/V8エンジンを搭載したプラベートチームのプロトタイプカーが参戦している。
トヨタはこのFIA世界耐久選手権にレーシングハイブリッドシステムを搭載したプロトタイプカーで参戦を計画している。2012年は、シリーズ戦の内、ル・マン24時間レースを含めた数戦にスポット参戦する予定で、チーム名や参戦ドライバー、参戦するレースなどは今後決まり次第発表するとしている。
今回のFIA世界耐久選手権参戦にあたり、トヨタのモータースポーツ活動担当の山科忠専務は以下のコメントを述べた。
「これまでもトヨタはル・マン24時間レースに参戦してきたが、今回はトヨタが培ってきたハイブリッド技術を使い、まったく新しい挑戦となる。伝統あるル・マン24時間レースを含むFIA世界耐久選手権に、ハイブリッド車で歴史を刻みたい。また、この挑戦を通じて得られる技術のフィードバックは、トヨタのクルマづくりにつながり、ハイブリッド車での参戦を承諾してくれたACOならびにFIAに感謝している」
ここ数年はアウディとプジョーによるディーゼルパワーでのハイレベルな戦いになっているが、トヨタがハイブリッドで参戦するなると、さらに盛り上がることは必至だ。ちなみにプジョーはディーゼルハイブリッドのレーシングマシンを開発中と言われている。