スズキは2021年11月25日、クロスオーバーSUVの「SX4 S-CROSS」をモデルチェンジし、新型「S-CROSS(エスクロス)」を世界初公開した。このモデルはハンガリーの子会社、マジャールスズキ社で生産し、2021年末からヨーロッパでの販売を皮切りに中南米、大洋州、アジアへも輸出するグローバルモデルだ。
「SX4 S-CROSS」は、2013年の発売以来、乗用車とSUVを融合させたクロスオーバー・モデルとして、ヨーロッパ試乗をメインにしたモデルで、日本にも逆輸入を行なっていた。
今回のフルモデルチェンジにあたり、新型「S-CROSS」はSUVらしいスタイリング、快適性、各種情報を表示するディスプレイオーディオ、スズキ独自の4輪制御システム「ALLGRIP(オールグリップ)」による走行性能と安全性を兼ね備えたモデルだ。
これらの要素を「Bold(堂々とした)」、「Sophisticated(洗練された)」、「Versatile(万能)」の3つのコンセプトで、デザイン、技術、使い勝手の進化を目指している。
デザインは、エクステリアではフロントに大型グリルや特徴的な3灯式LEDポジションランプを採用。ボンネットも含めて高く配置することで、SUVらしい力強いフロントマスクとしている。タイヤハウスにはスクエア形状のモールディングを備え、屈強さを表現。また、ボディサイドは流れるようなショルダーラインを引き滑らかに走る力を表現している。
リヤもフロントと同様にランプとバンパー位置を高く配置し躍動感を表現するなど、どの角度から見ても堂々としたSUVらしさを感じさせるエクステリアとなっている。
インテリアは力強いSUVに合う立体的な造形とし、中央に多機能な9インチの大型HDディスプレイオーディオを採用。スマートフォンとの連携はもちろん、車両情報やカメラ映像表示といった運転支援機能も備えている。
搭載されるエンジンは、K14D型1.4Lの直噴ターボエンジン(48Vマイルドハイブリッド)。出力は130ps/5500rpmを発生。また駆動アシストするモーター出力は10kW(13.5ps)。最大トルクは235Nm/2000-3000rpm(モーター:50Nm)を発生する。トランスミッションは6速MT、6速ATが設定されている。
ボディサイズは、全長4300mm、全幅1785mm、全高1585mm、ホイールベース2600mmで、従来型と同一サイズでベーシックなCセグメントサイズを守っている。またラゲッジ容量は430L。
オンライン発表会で鈴木俊宏社長は、「スズキのSUVへの思いを詰め込んだモデルに仕上がった。環境対策の先頭を切るヨーロッパ向けには、既に乗用車全てにハイブリッドを採用しているが、2022年よりストロングハイブリッドモデルのラインアップを強化する。新型S-CROSSも、2022年後半にはストロングハイブリッドモデルを導入する。さらに、コネクテッドサービスを導入し、お客様により便利で快適な車のご利用を提案していくことを計画している」と語っている。
ストロングハイブリッドモデルは、駆動用モーターとオートギヤシフトを組み合わせたスズキ独自のシステムを採用し、2022年初めよりヨーロッパ市場向け「ビターラ」に搭載し、続いて同年後半より新型「S-CROSS」に搭載する計画だという。