2015年9月30日、スズキは10月30日から一般公開が始まる第44回 東京モーターショーの出展概要を発表した。世界初公開となる軽自動車と小型車のコンセプトカー3台、市販間近のジャパン・プレミアモデル2台を出展すると発表した。
スズキの東京モーターショーにおけるテーマは、「スズキ NEXT 100」。2020年に創立100周年を迎えるスズキは、次の100年に向けての「もの作り」を象徴する製品と技術を提案するとしている。
メインステージには、コンパクト・クロスオーバー、「IGNIS Trail Concept(イグニス・トレイルコンセプト」、オープンデッキの軽自動車「MIGHTY DECK(マイティデッキ)」、新発想のコンパクト3列シートミニバン「Air Triser(エアトレイサー)」のコンセプトカーが並べられる。
■MIGHTY DECK(マイティデッキ)
使い方に合わせて可動する荷台(オープンデッキ)、キャンバストップを備えた「遊べる軽自動車」という新しいコンセプトの提案モデルだ。
軽自動車サイズで、2+2のシート、オープンデッキのボディとし、オープンデッキ部分は多彩な機能が付け加えられている。アウトドアなど趣味の世界で思いのままに使うことなどピックアップとしての使い方ができる。
インテリアはラウンドしたシンプルなデザインで、ウッドパネルと金属の組み合わせがアクセントになっている。
■Air Triser(エアトライサー)
エアトライサーは全長4.2m、5ナンバーサイズのコンパクト3列シート・ミニバンのコンセプトモデルだ。コンセプトは「プライベートラウンジ」とされている。
そのためコンパクトなボディサイズながら広々感のある室内空間とし、シートアレンジは、駐車中の対面配置、コの字型のラウンジモードなど、これまでのミニバンにはなかったシートアレンジができる。
デザインは特徴的なBピラーと、水平なウインドウライン、張りのあるボディパネルの面構成などで、シンプルかつ重厚感を生み出している。
■IGNIS(イグニス)
A/Bセグメントのサイズで新ジャンルのクロスオーバーを提案するコンセプトモデルだ。高めのシートポジションと180mmという最低地上高により、日常のドライブでも、休日のアウトドアでも安心して楽しめるクルマとし、コンセプトモデルながら量産化も遠くないモデルだ。
新世代のプラットフォームを採用し、軽量・高剛性とし、エンジンは1.2Lデュアルジェット、マイルドハイブリッド・システムを搭載し、燃費と走りを両立。
デザインはシンプルでありながら強い印象を与える造形としている。インテリアもシンプルだが、強いコントラストとすることで独自の個性を強調。16インチの大径タイヤを採用し、4WDモデルはグリップコントロールやヒルディセントコントロールを装備している。またドライバー支援システムとしてデュアルカメラ・ブレーキサポートを備えている。<次ページに>
■IGNIS-Trail concept(イグニス・トレイルコンセプト)
イグニスをベースに、よりクロスオーバーSUVらしさを強調したコンセプトモデルだ。したがって骨格やパワートレーンはイグニスと共通となっている。
イグニスが16インチタイヤであるのに対し、イグニス・トレイルコンセプトは17インチサイズとさらに大径化し、ホイールアーチモール、スプラッシュガード、ルーフレールなどが追加されSUVテイストを強めている。
またボディにはオレンジ色のカラーアクセントを付け、イグニスとの差別化を図っている。インテリアもブラック&ホワイトのカラーにオレンジのパイピングを配したシート生地としている。
■Baleno(バレーノ)
バレーノは2015年9月に開催されたフランクフルトモーターショーでワールドプレミアされた最新のコンパクト・ハッチバックで、日本初披露となる。
デザイン、走り、燃費性能、扱いやすさなどコンパクトカーに求められる要素を徹底的に洗練し、世界に通用するBセグメント・ハッチバックとしている。
もちろん新世代のBプラットフォームを採用し、軽量・高剛性を追求。操縦安定性、静粛性、NVH性能、燃費などで高いレベルを目指したクルマだ。
搭載エンジンは新開発のダウンサイジング・コンセプトにもとづく1.0Lターボ(名称:ブースタージェット)と、従来からの1.2Lデュアルジェット・エンジンの2種類をラインアップ。ブースタージェット・エンジンはCVTではなく6速ATを組み合わせている。
デザインは「リキッドフロー」と名付けられたダイナミック感を強調し、インテリアは曲線を基調にしたブラックの内装色でシルバーのアクセントを付加。運転支援システムはミリ波レーダーによるレーダーブレーキサポートⅡとアダプティブクルーズコントロールを備えている。
■ESCUDO(エスクード)
2014年9月のパリモーターショーでデビューした「ヴィターラ」の日本仕様がこの新しいエスクードだ。つまり2013年のフランクフルトショーに出展されたコンセプトカー「iV-4」の市販化仕様がヴィターラ(ヨーロッパ名)でヨーロッパでは販売が開始されているが、日本仕様はエスクードの車名が使用される。
開発・生産はハンガリーのマジャール・スズキで、日本仕様は逆輸入車となる。本格的なSUVの資質を持つ新型のコンパクトSUVと位置付けられる。Bセグメント・プラスのボディでSUVらしい力強いデザインとしている。またその一方で日常での扱いやすさや、ラゲッジスペース、居住空間などのパッケージングも重視されている。
エンジンは1.6Lで、6速ATとの組み合わせ。4WDシステムはSX4 S-CROSSにも採用されている電子制御「ALL GRIP」を採用している。また運転支援システムはミリ波レーダーによるレーダーブレーキサポートⅡとアダプティブクルーズコントロールを備えている。