【スバル/STI】ニュル24時間レース用「WRX STI」2013年仕様を発表 1月30日にシェイクダウンテスト完了

ニュルブルクリンク24時間レースのために製作された「WRX STI 2013年仕様」

2013年1月30日、スバルは5月17〜20日にドイツ・ニュルブルクリンクで開催されるニュルブルクリンク24時間レースで、SP3Tクラス三連覇を目指して参戦すると発表。チーム体制とレース車両の「WRX STI」2013年仕様の概要を発表した。そして同日、富士スピードウェイでシェイクダウンテストを行い、その性能を確認した。

今回のニュルブルクリンク24時間レース参戦は、スバルとSTIにとって2008年から6年連続の参戦となるが、SP3Tクラス三連覇を賭けたレースになる。チーム体制は、総監督がSTIモータースポーツプロジェクト室長・辰己英治氏で、STIパワーユニット技術部主査の小澤正弘氏が監督としてチームの采配を振る。

ドライバーはこれまで実績を積んできた吉田寿博選手、佐々木孝太選手と外国人選手2名の4名体制だ。従来は外国人選手はカルロ・バンダム選手、マルセル・エンゲルス選手であったが、エンゲルス選手が事故で亡くなったため、新たな人選が必要となっている。そのため、現時点では外国人2名は未定となっている。

2013年スペックのWRX STI(4ドア)は、新たに製作した車両で、昨年までの車両製作のノウハウをベースに、さらなるパフォーマンスアップを図ったマシンとしている。

フロントのリフトを抑えるためのアンダースポイラーの大型化やボンネットダクト形状の変更、リヤタイヤハウス回りのオーバーフェンダー造形変更、リヤアンダーに追加したディフューザーなど空力性能の改良、燃料タンクの搭載位置変更による重心の低下、BBS製マグネシウム鍛造ホイールの採用によるバネ下重量軽減などを行っている。これらの改良により主として高速コーナーでのタイムアップを図るということだ。

今後は4月にドイツへ車両を送り、現地で新たにシーケンシャルギヤボックスの搭載を計画しているという。これまでもシーケンシャルギヤボックス搭載の計画はあったが、信頼性が確保できないという理由で見送りになっていた。ニュルブルクリンクは、1周の間に強い横Gを受けながらのギヤチェンジが何十回もあるため、シフトミスがしにくく、変速時間が短いシーケンシャルギヤボックスのメリットは大きい。

4月13日にはニュルブルクリンクで行われる、VLN(ニュルブルクリンク耐久選手権)第3戦の4時間耐久レースに出場して出場マシンのセットアップを進める。このVLNレースでは日本からは佐々木選手、そして新たに選んだ外国人ドライバーもステアリングを握る。

このVLN第3戦にはトヨタGAZOOレーシングのマシンも全車出場。もちろん現地の有力チームもこぞって出場するため、本番のためのテストレースとして大きな意味を持っているのだ。

そして2013年の決勝レースは5月19日にスタートし、20日にゴールを迎える。

富士スピードウェイで行われたシェイクダウンテスト

なお、1月30日富士スピードウェイで行われたシェイクダウンテストでは、昨年のラップタイムを1.5秒短縮しており、ステアリングを握った吉田選手は「空力や低重心化の効果でさらに乗りやすくなっています。またBBSのマグネシウム鍛造ホイールにより、ロードホールディングが改良されたのも効いていると思います」と語っている。

WRX・STI 2013年ニュルレース仕様車 諸元表

スバル・モータースポーツ公式サイト
STI公式サイト

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