2026年シーズンの開幕まで1ヶ月を切り、開幕前最後の公式テストが静岡県小山町の富士スピードウェイで3月15日(日)、16(月)に行なわれた。ちなみに、日、月の開催にもかかわらず集まった人は1万2000人以上と多くのファンが集まっていた。

SUBARU BRZ GT300は前回の岡山国際サーキットの公式テストでは、決勝レースを見据えたセットアップに終始し、タイヤへの影響などのチェックを行なっていた。
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今回の富士スピードウェイでは、2時間のセッションが2日間で合計4回あり、タイヤの比較テストやタイムを狙うセットアップを行ない、さらにロングランという予定だった。

最初のセッションは山内英輝がドライブし、マシンバランスをチャックしたあと、タイムを出す時のセットアップを詰めていく。前年の5月の富士スピードウェイでの予選タイムが1分34秒台であり、ライバルを見渡すと37秒、38秒台のマシンが多く、ライバルも同様にセットアップをしているようだ。
山内は1ラップしてマシンバランスをチェックしたあと、ニュータイヤを履いてアタックをする。すると6周目には1分36秒391をマークし、全体トップにたった。昨年の予選で34秒882だったことを考えると、ニューエンジンの効果絶大とまではいかないようだ。
とはいえ、このタイムに関し小澤正弘総監督は「バランスはいいようですし、ダンロップの持ち込んだ新しいコンパウンドが素晴らしくいいですね。低温路面用のタイヤがハマったようです」と話すように、タイムの上位はダンロップ勢が占めていたのだ。

8ラップした後ピットに戻る際山内は「シフトショックが大きくて壊れるのではないかと心配になる」と無線で伝えている。ピットに戻ったBRZ GT300のマシンチェックを行なったところ、ミッションに不具合があることが判明し、修復作業を行なうことになった。
残り40分となったところで修復を終え、再びコースインした。BRZ GT300は36秒台、37秒台を数回出すことができ、セットアップは順調の様子だった。途中、セット変更も試し、また戻すという作業を繰り返しながら煮詰めていく。
セッション1は結局24周に留まったものの、タイムを出せるセットアップには手応えがあり、まずまずのテスト結果だった。
午後からのセッションでは井口卓人がコックピットに収まり、4周もすると「駆動系から振動が出ている」と伝え、ピットに戻った。山内に交代しコースに入ると同様に音がすごく出ているので、マシンチェックの要望が無線に入った。


ピットでは、部品を外しての確認作業を行なうことにした。そのため、セッション2も修復作業にほとんどを費やし残り15分のところで、再スタートを切ることになった。しかし、駆動系からの振動と音は解消できず、再びピットに入りセッション2を終えた。
その後、駆動系のパーツを下ろして確認したところ、ミッション内部にトラブルがあったことが判明し、部品を交換して夜の7時半ごろには修復作業を終えることができた。

翌日のセッション3は前日の雨が残り、路面はウエット。気温、路温ともに6度と寒い中でセッション3が始まった。小澤総監督は「前日はミッショントラブルであまり走れなかったので、今日は、タイヤの比較テストをメインにして、最後のセッションでロングランができればいいかな、という予定です」という。

ウエットタイヤのテストを行ない、路面が渇き始めた頃合いでスリックに履き替えてドライのテストに入った。途中FCY訓練も行なわれている中、タイヤ交換のため井口はピットインしたが、トラブルが発生していることがわかりマシンを降りた。
澤田監督と小澤総監督のふたりが顔を突き合わせ、最終判断を小澤総監督に委ねた。判断は「エンジン交換」だった。
冷却系のトラブルのようで、エンジンを壊す前に早めに交換する判断をしたのだ。そこからメカニックたちはエンジン換装の作業をはじめ、セッション3はその作業に費やされることとなった。

そして最終となるセッション4は午後2時から走行が始まるが、BRZ GT300は完璧なまでに修復され、山内がヘルメットをかぶって乗り込んだのだ。
まずは、エンジンも含めマシンの走行確認が行なわれ、何も問題がないとなり、予定していたテストに取り組むことになった。山内の役目はタイヤの比較テストだった。さまざまな特徴を持つタイヤを装着し、路面状況の変化も踏まえながらタイヤを履き替えていく。
この比較テストの走行でも好タイムを連発し、前日にマークした1分36秒391を上回り、1分35秒806を出している。このタイムは公式テストが終了するまで破られることなく、トップタイムとして記録されたのだ。

残り時間が1時間を切るあたりで、井口と交代をしロングランのテストを始める。耐久性を確認したいタイヤを装着しノンストップで走行。タイヤがタレ始めてから何ラップ持ちこたえるか、何秒落ちるのか、といったデータを集める。
井口は1/100秒まで同タイムで周回する神技を見せ、しっかりとデータを集める。タイヤのグリップが落ち始めると0.1秒ずつタイムが落ちていく。その落ち方も極端な劣化ではなく徐々にグリップダウンが起きていることがラップタイムからもわかる。新しく投入されたタイヤの特性を見極め、公式テストの最後まで井口は走行を続けることができた。
全日程を終え、井口は「セッション4はしっかり走ることができ、ロングの課題がよくわかるテストになりました。ただ、周りのタイムも速いので安心はできませんが開幕戦にむけてはいい方向を向くことができたと思います」

また山内は「トップタイムが出せたことはいい結果だと思います。トラブルで予定していたテストをこなすことができなかったわりには、収穫の多いテストができたと思います。ただ、岡山は正直得意とは言い難いコースなので、そこで強いレースができれば、今年1年いい状態で競えると思いますので、まずは表彰台を目指すレースをしたいと思います」
そして小澤総監督は「今日はニュータイヤの比較ができて、おおよその絞り込みまではできました。かなり低温だったので、温度レンジの違いもわかるいいテストになりました。トラブルについては、前日のミッションは何かを噛み込んだためにギヤが欠けたアクシデントだと思われ、部品交換で対応できています。エンジンはウイークポイントとして懸念している箇所でしたので、対策は練っていますが、今回は部品が間に合わず申し訳ないです。でも開幕戦までには間に合いますので、いいレースを期待してください」
確かにトラブルが多く走行時間も限られてしまったものの、チームの雰囲気は明るく、たくましさのある空気は変わっていなかった。3週間後の開幕戦でニューエンジンが活躍するのか注目したい。
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