スバルは2021年9月2日、6代目となるクロスオーバーSUVの新型「レガシィ・アウトバック」の日本仕様を発表し、販売店での先行予約を開始しました。
新型レガシィ・アウトバック(BT系)は、2019年4月のニューヨークオートショーでワールドプレミアを行ない、7月末からインディアナ工場で生産され、秋に2020年型モデルとして発売。すでに北米、ヨーロッパ、アジア地域で販売されています。
このアウトバックは標準モデルのレガシィとともに、スバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)を採用し、同時にスバル初となるインナーフレーム構造も採用しています。つまりレヴォーグより一足先にこのインナーフレームを採用した最初のモデルとなっています。
また、従来型モデルが2.5LのFB25型エンジンと3.6L水平対向6気筒エンジンを搭載していましたが、新型モデルはFB25型と、ダウンサイジング・コンセプトの2.4LのFA24型直噴ターボエンジンに刷新されています。
この新型アウトバックは、日本市場に2年遅れで導入されることになりましたが、アメリカ仕様をそのまま導入するのではなく、日本仕様に大幅変更されているのが特長です。ただし、ボディサイズ、デザインなどは基本的にアメリカ仕様と共通です。
ボディサイズは、全長4870mm、全幅1875mm、全高1675mm、ホイールベース2745mm。車両重量は1690kgとなっています。
日本仕様のグレード展開は、シンプルでラグジュアリー指向のリミテッドEX、アクティブ指向のX-ブレイクEXの2機種。エンジン、トランスミッションは2機種ともに共通です。またアウトバックならではの最低地上高はともに213mmで、255/60R18という大径タイヤと合わせてクロスオーバーSUVらしいスタンスを生み出しています。
日本仕様の大きな特長はエンジンで、レヴォーグから採用された最新のCB18型直噴ターボを搭載。このエンジンはリーンバーンとターボならではの大トルク、高い熱効率を実現させた高効率エンジンです。レギュラーガソリン仕様で、出力は177ps/300Nmを発生。またWLTCモード燃費は13.0km/Lとなっています。
トランスミッションはリニアトロニックCVTで、変速比幅は8.0とワイドな変速レシオとなっています。AWDシステムはアクティブトルクスプリット式で、悪路走行用のヒルディセントコントロール付きX-MODEは、リミテッドEXは1モード、X-ブレイクEXはより悪路走破性の高い2モード仕様となっています。
また、レヴォーグで初採用された最新のアイサイトXも全車標準装備化され、GPSと高精度ADAS地図情報をもとにして高速道路での渋滞走行時にはハンズオフ運転できるアダプティブクルーズコントロール機能を備えています。合わせて、ドライバーの状態をモニターするドライバーモニタリング・システムも標準装備するなど商品力を高めています。
デザイン面では、ソリッド感のある厚みを強調したボディフォルム、力強さを表現する大型のオーバーフェンダーを組み合わせることで、アクティブさとタフさを表現しています。
インテリアは質感の高いトリム仕上げとすることで、フラッグシップ・クロスオーバーSUVとしての上質感を生み出しています。なおリミテッドEXのシートはナッパレザーの本革シート、X-ブレイクEXは撥水処理されたポリウレタン表皮シートとなっています。
メーターは12.3インチのフル液晶のデジタルメーターパネルを採用。またスバルで最初に採用された縦型11.6インチのインフォテイメント用センターディスプレイを装備し、通信モジュールを搭載してスターリンク(コネクテッド・サービス)が利用でき、スマートフォントの連携も可能です。
このように新型レガシィ・アウトバックは、ボディサイズなどは従来モデルよりわずかに大きくなっている程度ですが、装備的にはひとクラス上に格上げされ、輸入車のクロスオーバーSUVワゴンのライバル的な存在になると考えられます。