2013年4月24日、スバルで初代レガシィから開発を担当し、3代目BE/BH型レガシィ(1998年〜2003年)のプロジェクト・ジェネラルマネージャー(開発主管)を担当した経歴を持つ桂田勝氏が病気療養中の同日逝去した。享年70歳。
桂田勝氏は1966年に富士重工に入社。エンジニアとして乗用車の開発を行った。71年から約1年間、アメリカのミシガン大学・高速自動車研究所客員研究員を務め、83年よりスバル技術本部車体研究実験部へ復帰。
研究実験部で乗用車のフルタイム4WDとFF車の比較研究、実験を行い、さまざまな走行シーンで4WD車がFF車より優位であることを証明した。この結果を踏まえ、3代目レガシィからはFFモデルを廃止し、4WDに一本化した。
またスバル車、レガシィの走りのこだわりも深く、BE/BH型レガシィはかつてないほど剛性感の高いボディ、意のままの走り、世界に通用する一級の走りを目標に掲げ開発された。同時に、これまではワゴンが主流であったレガシィ・シリーズにセダン「B4」を投入し、セダンの存在感を高めている。
1999年には執行役員・商品企画室長、2001年6月にスバル技術研究所所長となり、STI社長も兼任した。
伝説のエンジニア、百瀬晋六氏の薫陶を受け、軽自動車「プレオ」の開発担当時には、開発コンセプトはメルセデスのような軽自動車を、というなどエピソードに事欠かないスケールの大きなエンジニアであった。
ご冥福を祈りたい。