日産自動車は2023年7月14日、ノート、セレナ、リーフ、キックスなどに複数の不具合があるとしてリコールを届け出た。
このリコールは市場からの報告と、社内からの情報により実施されている。1件目はノート、セレナ、キックスのe-POWERモデルの発電用のエンジンのブローバイガスを吸気管に導くブローバイホースが、開発時の評価が不十分なため、ホース表面の劣化を防止するプロテクターの寸法が不足しているというもの。
このため、使用過程においてプロテクターで覆われていない部位のホース表面に亀裂が発生し、最悪の場合、エンジンが始動せず、走行中にモーターが停止し、走行できなくなるおそれがある。
対策は該当車両のブローバイホースを対策品(プロテクタ延長品)と交換することになる。
該当車両は2016年8月〜2022年3月の間に生産されたノート、セレナ、キックスの3車種で、合計48万4025台。
2件目は、セレナのエンジンルームのハーネスに関して、開発時の検証不足によりハーネスの配策に不備があり、エンジン制御用コントロールユニット固定用ボルトの先端がハーネス保護材のスリット部に位置した場合、ハーネス保護材内側に入り込み、直接、電線配線と接触することがあるというもの。
そのため、そのまま使用を続けると、電気配線の被覆が損傷し、ボルトの先端が芯線に接触することで短絡し、最悪の場合、走行中にモーターが停止し走行できなくなるおそれがある。
対策は、該当車両のエンジン制御用コントロールユニット固定用ボルトの先端に樹脂キャップを装着する。なお、ハーネス被覆が損傷していた場合は修理することになる。
該当車両は2017年12月〜2021年8月の間に生産されたセレナで、合計12万6800台となっている。
3件目は、社内からの情報により明らかになり、ノート、ノート オーラ、セレナ、キックスのe-POWERモデル、EVのリーフのビークルコントロール(VDC)モジュールが、開発時にモーター出力制御プログラムの評価が不十分なため、プログラムに不備があるというもの。
このため、クルーズコントロール(インテリジェントクルーズコントロール、プロパイロットを含む)による走行を終了した直後に特定の操作をした場合に、意図しない加速をするおそれがある。
対策は該当車両のビークルコントロールモジュールの制御プログラムを書き換えることになる。
該当車両は2017年8月〜2023年3月の間に生産された、ノート、ノート オーラ、セレナ、キックスのe-POWERモデルとリーフの5車種で、合計47万8199台となる。